体の異変

第55話

現在…2日間、動物園に泊まっている。

寒い休憩室に1人だ。

あぁ、俺はなんて寂しいんだ。


シマウマの出産が近い。

担当のやつは、腹痛で休んでいた。誰も泊まれないとのことで、俺に。


いつ産まれるかな?なんてモニターを見てたら産気づく。じっと見つめ、経過を観察する。いけるか?もし無理なら出動しなくては。


…と、こんな感じで深夜から早朝まで仕事した。無事に産まれて良かった。


「おはようございます。産まれたんですね!」


園長は呑気にご出勤だ。


「ええ、そうです」


「よかったです。それで柊先生…あの」


「また掃除ですか?」


「はい…担当の者が休むそうで」


「自分の担当のとこ終わったらやりますから」


「ありがとうございます」


俺は、寝てない。というか眠れるわけない。出産なんて立ち会ったの猫、犬くらい。映像では見たことあっても自分が実際に責任を取るとなると、全然違う。


はぁ、なんて貴重な体験だったろう。


さっさと掃除、餌やりを済ませ、次の作業へと向かう。はぁ、小屋までの距離、結構あるな…


あと何キロ?なんかもう…


なんも考えられな…



それからの記憶はない。

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