第52話
妻がいることが広まり、飼育員たちはにやにやしている。
「柊先生の奥さん見たいです」
「モデルみたいなんですよね?」
茶化されているが、まぁいいだろう。
「そのうち、連れてきます」
その次の日、彼女はやってきた。
それは、爬虫類ゾーンで餌をやっていたときだった。
「柊先生!」
ガラスの向こうから園長が呼んでる。また仕事押し付けんのか?
「吉越先生がいらしてますよ!」
「は…?あ!なんだよお前!」
園長の隣にいた。
「奥様をご案内してはいかがですか?」
「いや…他の仕事があるんじゃないですか?」
「大丈夫です。2人で楽しんでそのまま帰っていいですよ」
まさか…なぜそんなに親切なんだ。
「ありがとうございます。着替えてきますので…まりこ、待っとけよ?」
「ここいるからー」
ってなわけで、まりこの案内係を仰せつかった。
「休みとか聞いてないし」
「秘密にしてたしー。んで?爬虫類担当?餌の量は相変わってない?」
「うん。変わりなく」
ってゆーか、診察担当してたし俺よりできるまりこを案内する必要ないんですけど。
「さすが〜綺麗にしてる。掃除完璧じゃーん!」
「まーね。次行こっか。小動物はいかがですか?」
「オッケー。ここから近かったっけ?」
「近いよ」
「ここの配置いつもあんた任せだったからよく覚えてないのよね…小動物ってあんま診察しないから触りたーい」
「じゃあ、よーく触りなさい」
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