第48話

うさぎと遊んでた女の子がふと、掃除していた俺を見つめてることに気付いた。

なんだ?顔に何かついてたかな?


「何かな?」


「お兄ちゃん中学生?」


「違うよ。飼育員だよ」


「そうなの?小さいね」


「そうだね」


そんな小さくはない。足助より身長高いし!


「あら!こんなとこにいたの?」


遊んでいたところ、母親らしき人がやってきた。そういやこの子1人だったな。


「ママ、お兄ちゃんと遊んでたの!」


「そうなの?よかったね〜うちの子がごめんなさいね!ありがとう」


「いえ、構いませんよ」


若干ため口じゃなかったか?


「柊先生」


げ、また園長かよ!また他の仕事持ってきやがったな。


「あの、キリンがちょっと体調悪いみたいなんで…」


「診察ですね。わかりました」


「え!」


そこにいた母親は目を丸くしていた。


「お、お兄さん、先生なんですか?」


「ええ。獣医ですが何か?」


既に園長はいない。あの人、まじで仕事やる気ないな。


「え、あの高校生かと…」


「はは、御冗談を」


立ち上がり、その場を離れた。担当のやつ連れて来てやらぁ!


と思って歩いていたら、担当の奴がのこのことやってきた。


「あ、柊先生、すみません!ありがとうございます」


「なにしてたの?」


「あ、他にも担当してるんで…そっちに時間かかって」


「優先順位に気をつけたほうがいいよ。動物とお客様のことをもっと考えて」


「すみません…」


申し訳ないけど、当たり前のことを言ったまでだ。ちょっときつい言い方をしてしまったので…それはまずかったなぁ。


さて、キリンのとこ行かなくちゃな

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