第47話
アルパカ小屋の掃除をしていたら、ここの担当飼育員がやってきた。
「柊先生すみません!ありがとうございます!」
「あの…なにしてたの?」
「餌の準備してたんですが、分量計るの苦手でして…時間かかってしまいました」
「もしかして遅刻?」
「あ!そうなんですよ…」
もっとうまい嘘付けないものかな。
「もう開園してんだけど、そんなんでいいの?」
「すみません。あとは代わります」
どうしたものか。ここの飼育員はちょっとだらしない。
「あのぉ、柊先生」
終わったと思ったらまた園長が現れた。てゆーかお前がやれよ!
「またですか?」
「はい、すみません…」
「今度はどこです?」
というように仕事が終わることはない。なんで俺はこんな働いてるのかわからん!自分の担当の子たちの状態のチェックもしたいのに。
ふてくされながらも掃除に励む。
お客様がいるというのに、申し訳ない。
急いで済ませ、やっと休憩となった。
休憩室でゆっくりしていたとき、また園長が現れた。
「あの、柊先生、小動物ゾーンがですね、少々散らかっていまして…」
「わかりました。行ってきます」
休憩を打ち切られて、小動物ゾーンへ。そこにはうさぎ、ハムスターなどの触ってオッケーな動物たちが放し飼いされている。が、その中にゴミを捨てる不届きものがいるなんて!
「最低」
誰もいなかったので、呟いていた。
ゴミを拾いつつ、動物たちもチェック。食べてねーよな?てゆーかここの担当はどこだよ!
「あー!うさぎさーん!」
小さい女の子がやってきた。ので、営業モードに切り替える。
「抱っこしてみる?」
「うん!」
うさぎを抱えて、差し出す。目がキラキラと輝いてる。うん、俺もそんな気持ちだ!
「こうやって持ってね。優しくね」
「わー、ふわふわしてるぅ」
「そうだね」
なんて無邪気なんだ。そしてこのうさぎも無邪気でかわいらしい。
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