第45話

「え?まじ?」


「なんかあんずが言ってた」


細川が何気なく言った情報に、戸惑う。


まさか…あの柊くんが?合コンに来てた桃川の友人のあのギャルの吉越さんと結婚するなんて。ない、ない。

だって、旭川あさひかわが吉越さんに近づいたら小馬鹿にしてたような人だよ?柊くん、なんでなんだ。


ということを碧唯あおいに話した。


「あれ?しーちゃん知らなかった?」


「知らねー。付き合ってたのも!」


「あらそう?」


「碧唯は吉越さん知ってんの?」


「忍は知ってるの?」


「え、まぁ。前合コンで…」


は!いけない。浮気になる!


「いや、大学生の頃、無理矢理連れてかれて。ほら、桃川の友達だよ」


「なに慌ててんの?へんなの。亮伍くんから写真送ってもらったよ!ほら、美人さんでしょー?」


碧唯の携帯を覗いてみた。


「あー」


相変わらず化粧ケバい。こんなやつと柊くんが結婚なんてもったいない。


「この子亮伍くん好みの顔だよねー」


「え?柊くん好みとかあるの?」


「あるしー。歴代彼女から統計とれば、クールな美人顔が好みよ!」


「え?歴代ってそんな?」


「えー?忍知らないの?」


「だ、だって中学から違うし…。それに、また連絡とりだしたの最近だし…」


「そーなの?じゃあ教えたげるー!亮伍くんもてるから~だいたい彼女いたよね。でー、だいたい顔で決めてたもの」


「えー」


確かに小学生の頃もいたけど…まさかそこまでだったとは。すごいや、柊くん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る