第44話
柊と離れ、再び動物病院へ。そろそろ夜勤も終わりかな…。
と、そこへ狙い通りまりこが。
まりこの横に車を止める。驚いて立ち止まったところ、降りる。
「え、守?」
「よ、吉越さん、結婚するんでしょ?」
「うん、そう」
「俺さ、まりこのことまだ気になってた。振ったのは、迷惑かけたくなかったからで…別に嫌いとかじゃ…」
「ごめん、私もう守とのことは忘れちゃった」
「え、そ、そう」
「うん」
なんか、まりこ変わった。合コンとか行ってたあのまりこと違う。なんか、落ち着きがある。それに、研修で会うたびぎくしゃくしてたのがまるでない。
「えっと、ちなみにどっちが告白したの?柊?」
「そうだけど」
「そ、そうか」
柊ってやるときゃやるやつだからなぁ。侮れない。と、改めて思った。
「柊はさ~仕事できないし、やる気ないやつだけどさ~ほんとにいいの?」
「うん。いいの」
「そ、そっか。じゃ、帰る」
俺は、だめだった。
まりこが選んだのは柊。
涙が出そうだ。
俺はまりこのこと好きだったけど、柊のこともそれ以上に好きだ。
俺の好きなものが結ばれるのは不思議だ。嬉しいのか、悲しいのか、わからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。