第43話

居ても立ってもいられなくなり、有休を使い青森まで高速で向かうことにした。


俺がまだまりこのこと忘れられないの知ってるよね?知ってるはずだよね?

なのになんで…どうして教えてくれなかったんだ!


青森動物病院の近くの駐車場に車を止めて待つことにした。柊はこっちから家に帰るから。


しかし、いつまでも柊は出てこなかったので、仕方なく、柊アパート前に向かう。

その途中、歩いている柊を見つけた。


「柊!」


窓から叫ぶと、驚いて固まる。やはり柊だ。すこし先の広い道路に横付けして、車から降りる。


「おい、足助、お前なんでここにいるんだ?」


いつものように嫌味たらたらである。


「柊、まりこと結婚するって本当?」


「あーそうだけど?」


とても軽く言われた。


「なんで?柊なんてださくて、まりこよりバカなのに?なんで?」


「さーね」


「なんで?俺がまだ気になってること知ってたよね?」


「知るかよ」


「嘘だ!俺をいじめたいの?」


「なんでだよ。ただ気が合ったから」


「俺と気が合うの間違えじゃないの?」


「うるせーよ。お前、自分の都合通りにならないと嫌なんだな。俺はお前がいくら言ってもまりこと結婚する」


聞きたくない。なんで柊がまりこって呼んでんの?俺の元カノだよ?だって、吉越さんって呼んでたじゃん!


「なんで…柊!友達なのに!」


「黙れ。お前がそうやっていつまでもうだうだしてるうちに、俺が好きになった。それだけだし。もう帰れ」


柊は、あっさりしていた。

あ…俺、嫌われたかも。こうやって、いつも自分勝手だから友達ができないんだ。わかってるのに、どうしてこうなってしまうんだろう。


「ごめん、俺、柊に悪いこと言った」


「あっそ。もう帰れ」


「ごめん、柊、また話してくれる?」


「はぁ?なにを?」


「なんでも…また電話してもいい?」


「かけるなっつってもかけんだろ?ったく、くだらねー」


柊は、こんな俺を見捨てないでくれる。


「帰る」


「帰れ。あ、そうだ。病院の人にも言っといて。院長とか連絡すんの面倒だし、お前が言えば早い」


これは、信頼されてるの?かな?


「うん、わかった」


「さすが足助だな。じゃーよろしく」


柊に頼られちゃったよー!

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