第42話

「足助くーん」


職場にて、珍しく桃川さんに呼び止められた。


「なに?」


「柊から聞いた?」


「何を?」


もしかして、研修で東京来るとか?会いたい!


「結婚のこと」


「え?あぁ知ってるよ」


柊の弟、亮介くんだろう。あの子彼女と付き合って長いしね。


「まじで?冷静だからびびるわ~」


「俺は冷静だよ」


「そーなーんだ。心配して損した~。じゃ」


桃川さんはあっさり去って行った。なんで桃川さん亮介くんので動揺すると思ったんだろ?あ、俺が未婚だからか。

でも、具体的に…知りたい。ということで、


草葉くさはさん、柊のこと聞いた?」


柊とクラス同じだった草葉さんに、詳しく聞き出そう。


「え?まりことの結婚のこと?」


「え、うん?」


「昨日聞いたよ。まりこってそういう連絡遅いのよね。足助くんはずっと知ってたの?」


「え…柊と吉越さんが、結婚?」


「え、違うの?」


「い、いや。なんでもない」


呆然とした。なんで、そんなおかしなことになってんだよ。柊は俺の親友で、まりこが元カノってことも知ってる。それに、俺がまりこの話をさけてるのにわざと言ってきたり。そんな柊なのに、結婚って…なんで。

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