報告に行く

第39話

職場に結婚の報告をすると院長は喜んでくれた。てゆーか、休みもらうときに言ってたけど。


「柊先生、よかったですね。吉越先生が異動してきて」


「はい」


「でも柊先生は異動になっちゃいますね」


「そう、ですね」


「私は緒方さんを助手にして頑張ります!」


「吉越さんは、もう柊さん?」


「いえ、まだ吉越です!今日出します!」


「柊先生、明日から動物園勤務になりますね」


「はい。努力します」


亮伍は1人、動物園に勤務になった。なので、荷物をまとめる。けっこう長くいたので、私物が多い。


「ちゃーんと片付けてよね」


「お前じゃねーしできますとも」


「失礼します」


緒方さんが、中へ入ってきた。


「柊先生、異動なんですよね?可哀想。なにしたんですか?まさかの横領とか?」


「緒方さん、違うよ?結婚したからで。それで、緒方さんは私の助手になるのよー!嬉しい!」


緒方さんの小さい手を握りぶんぶんとふる。この子ほわほわしてかわいい。


「助手…そうでした!私が吉越先生の!光栄です!」


「でしょ?」


「で、結婚ってなんですか?」


「え?私が結婚したのよ?」


「え、誰とですか?」


緒方さんは急に険しい顔をしたので手を離す。


「柊亮伍」


「誰ですか?」


真顔で言ったよ…緒方さんったら。


「俺ですが」


片付け最中の亮伍がしゃべった。緒方さんとけっこう仕事してるのに可哀想。

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