第38話

「そ?それでー、学歴とかも聞かれたけど~大学だけ言っといた!私と同じ大学だったから全然よかったけど!でも、大学から付き合ってたのかってつっこまれた」


「だろうね」


「そうだったらよかったのに。なんで亮伍と私出逢ってないのかな?」


「さぁ」


「クラス違っても出逢えるじゃん?渚が紹介してくれなかったのが悪い!」


「なんでそうなるんだよ」


「だって同じクラスの人どんなの?って聞いたらキモいやつで終わったんだもーん」


草葉くさはさんひどい。ま、そんなもんだよ、俺なんて」


「違うよ?」


「切符を拝見します」


あ、車掌さん回ってきてた。


「すみません、ちょっと待って下さい。おい、まりこ切符あったか?」


「あった。ねー、私、亮伍のことそんな風に思ったことないよ?だって普通に優しいじゃん。渚から聞いてたイメージと違うもん」


「あっそう。あ、切符あった。すみません、お待たせして」


車掌さんに切符を渡す。


「ねー、もしかして私、最初から好きだったのかな?だって告白されても全然嫌じゃなかったし?」


「おい、黙れよ」


車掌さんから切符を受け取るが、顔がにやけている。ったく、場所をわきまえろや!


「ねー」


「ねーじゃねぇよ!バカ!そういうことはこんなとこで話すなよばか!」


「なんで?」


「アホか、恥ずかしいし…」


めっさ聞かれてたし。俺、こういうの無理。なんの恥じらいもないまりこ。お前ずれてるよ!

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