第37話

吉越宅を後にした。挨拶しただけですぐ帰るとか、まりこひどいやつだ。

仕事があるので、そのまま新幹線に乗り青森へ帰る。道中、まりこに聞いてみた。


「あんな大袈裟に言わなくてよかったのに、ご両親可哀想」


「あんただって、あーんな大袈裟なこと言ってさ!聞いてないんすけど?」


「ちょっと大袈裟には言ったけど、本当のことだし」


「え、動物病院?」


「うん、まじです」


「で、あの…」


まりこは口ごもり、机にあるお茶を飲んだ。


「なに?」


「私が有能ってのは?大袈裟に言ったの?」


「それはまじ」


「な、なんでそんな真顔で!」


まりこは照れて顔を手で隠す。うける。


「あれくらい言わねーと。だって俺、1人だとつまんねーし、まりこいないと無理になっちゃったし」


「も、もう!やめてよ!」


照れながら喜んでるな。


「吉越家疲れたなー。で、最初なんて説明したの?」


「え?あぁ、結婚したい人がいるって言ったの。その人は私と同じ動物病院で、助手してて…動物が好きで、私のことよくわかってくれる人って言ったよ」


「結構余計なこと言ってんな」

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