第33話

柊家はとにかくよくしゃべる。話は脱線しまくってるけど。


「ところで亮介、絵里ちゃんはどうしてるんだ?」


突然の柊父の亮介くんへの質問。私は初めてここに来たのに、なんか深い話してんじゃないの?


「絵里は元気だけど、なんだよ」


「うちに連れてきたらいいのに。亮伍の彼女も来てるのに」


「最近忙しい。次の舞台の稽古があるし」


「ふーん。それって彼女なの?」


いつの間にか、うっかり私も柊家の会話に参入していた。


「そうですけど」


「亮介くんってモテるの?」


なんとなしに亮伍に聞いてみた。気になってたし。


「全然?絵里ちゃんは絶対お前にあきあきしてるね」


「そんなことねーし!絵里は忙しいだけだし」


「こいつ学生の時から絵里ちゃんと付き合ってんだけど、なんも考えてないないすっからかん男でさー」


「ふーん。バカそうだもんね」


「な!失礼ですよ!」


「失礼なのはお前だろ。絵里ちゃんのことわかってねーよ」


「本当よねー。亮介ってどうしてバカなのかしら?」


「亮介、串カツどうだ?うまいか?」


「え、普通」


なぜここにきて、柊父は串カツの話をするんだろ。面白くて、笑いをこらえた。

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