第31話

2人で休みをもらって、柊宅に行った。


「ただいま」


「あらー亮伍、あら?あら?」


柊母が玄関まで出てきた。亮伍にそっくりな母である。


「あ、あの、私」


「まー美人さんだこと!」


「あーこいつまりこ」


「まりこさん?綺麗ねー、さ、どうぞ上がって」


私がしゃべる隙を与えてくれない。

中に入ると、猫、鳥、犬がいた。


「な、なにここ!」


夢を見てるの?


「俺んち」


「違う!この動物たち!」


「かわいいだろ?」


亮伍は猫たちと戯れる。犬も寄ってきてるしもみくちゃだ。


「さ、お茶どうぞ。おせんべい好き?」


「はい、好きです」


柊母のお言葉に甘えて、お茶とお菓子をいただく。亮伍はまだ遊んでる。私、放置かよ。


「まりこさん、綺麗ね~」


「あ、ありがとうございます」


「もうすぐお父さんも亮介も帰ってくるからね」


「あ、弟さんもいるんでしたね」


「そうなの。ほんと手間のかかる子でねー」


「へーそうなんですね」


「亮伍もやりたい放題でしょ?困った子なのよー」


「確かにそうですね」


「おい、お前ら悪口言っただろ」


「言ってないしー!」


「ほら、まりこお前も触れよ」


「うん」


猫を触ると、すぐにごろんと横になった。


「かーわいー」


「さて、茶でも…俺のないのかよ!」


「あんたはお客じゃないから自分でしてよね~」


「ひど!まったくひどい母だろ?」


「ねーインコ家で放し飼いなの?」


「話し聞けよ。放し飼いじゃねーよ。さっき出してやった」


「そうなの?かわいすぎるし。ここ最高ですね!」


「まあ、気に入ってくれたの?」


「動物好きなんで!」


「まりこさんって正直ね」


「そう、わがままで言いたい放題なやつなんだよ」


「で、亮伍はやりたい放題ってことかしら?」


「おい、変な言い方すんなよ」


亮伍の母って気さくでおもしろいなぁー

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