ふとした疑問

第29話

亮伍は予想外に、私にベタベタしてくる。


そこで疑問が生まれた。こんなやつが大学時代彼女なしってどういうこと?

気になりすぎて聞いた。


「はぁ?今更なにを言うんだお前は」


「欲求不満で爆発しないの?店行ってたとか?」


「いかねぇし。そんときは勉強しかしてませーん」


「そうなの?大丈夫だったの?死ななかったの?」


「死んでないから」


「じゃ高校時代は?彼女わんさかいたんでしょ?そんときは不満だった?」


「そんなにはいねぇけど、まぁ、不満になることはなかったかな?」


「むかつく!私と比べるんでしょ!」


「比べねぇーし。そもそも、お前が一番綺麗だと思うし、いろいろ」


「そ、そんなのにだまされないもん!」


「かわいいな、まりこは。こんなガキっぽい子とは付き合ったことなかったかな~?」


「なによそれ!」


「逆に聞きたい。足助とは、なぜなにもない?」


「…守は、そういうのしてこなかったから?」


「あ、そう。あいつ草食なのか」


「キスも一回くらいだし」


「へぇー。キスしたの?どこに?」


「口だよ。でも一瞬だよ?」


「よく覚えてるねー」


「しょうがないでしょ!私、付き合ったの守が初めてなんだもん」


「なんかやだ」


亮伍は不意に私の唇を奪う。


「んー!ちょっと!苦しいってば!」


「俺とのキスは?覚えてんの?」


「キス…しすぎ!もう!」


「嫌ならやめます」


「もー!なんなのよ!いじわる」


「お前が変な話するからだろ」


「もうしないよーだ!てゆーか守にヤキモチ?今頃?うけるんですけどー?」


「ちげーよ。ムカついただけ」


「それーヤキモチじゃん!」


「それはお前じゃん。ったく、手がかかる子だな、まりこは」


「悪かったわね」


「ま、そこがかわいいんだけど?」


なにを言うか!


「なに顔赤くしてんだよ」


「うるさーい!!」


「うるさ」


笑うなー!

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