第27話
TVの下の棚にDVDを片づけた亮伍は私の隣に座った。
「まじ泣きとか」
「バカにすんな」
「声震えてますけど。なんで泣いてんの?」
「だって、うちの親が絶対反対するから」
「その絶対ってなんなんだよ。傷つくんですけど」
「だってそうなんだもん」
「で、まりこはどうしたいの?」
「結婚したいよ?」
「まじで。やった」
「やったーじゃないし。うちの親反対するって」
「そう泣くなって」
「泣きたくもなるよ!だって、私が亮伍と結婚したいなんて言ったら、格下のやつなんかありえない!ってすーぐダメになっちゃうんだって!」
「おい、格下ってひどい」
「そんで、もうあんな奴と会うな。まりこにはもっといい人を見つけてやるって言われるのよ!」
「あんな奴って…。俺を泣かせたいのか?」
「もーやだー!」
わけがわからなくなって、隣にいた亮伍に抱きついた。こんなちっこい奴のどこがいいんだか、私にはわからないけど、それでも、一緒にいたいと思う。
そもそも、結婚話をいきなり持ち込んだこいつが悪い!
「あんたのせいで、疲れてんのに、もっと疲れたんですけど!」
「おいおい、お前泣いてんじゃなかったのか?なに怒ってんの?」
「このフクロウ野郎のせいだー!」
ポカポカと亮伍を叩いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。