第27話

TVの下の棚にDVDを片づけた亮伍は私の隣に座った。


「まじ泣きとか」


「バカにすんな」


「声震えてますけど。なんで泣いてんの?」


「だって、うちの親が絶対反対するから」


「その絶対ってなんなんだよ。傷つくんですけど」


「だってそうなんだもん」


「で、まりこはどうしたいの?」


「結婚したいよ?」


「まじで。やった」


「やったーじゃないし。うちの親反対するって」


「そう泣くなって」


「泣きたくもなるよ!だって、私が亮伍と結婚したいなんて言ったら、格下のやつなんかありえない!ってすーぐダメになっちゃうんだって!」


「おい、格下ってひどい」


「そんで、もうあんな奴と会うな。まりこにはもっといい人を見つけてやるって言われるのよ!」


「あんな奴って…。俺を泣かせたいのか?」


「もーやだー!」


わけがわからなくなって、隣にいた亮伍に抱きついた。こんなちっこい奴のどこがいいんだか、私にはわからないけど、それでも、一緒にいたいと思う。

そもそも、結婚話をいきなり持ち込んだこいつが悪い!


「あんたのせいで、疲れてんのに、もっと疲れたんですけど!」


「おいおい、お前泣いてんじゃなかったのか?なに怒ってんの?」


「このフクロウ野郎のせいだー!」


ポカポカと亮伍を叩いた。

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