吉越まりこの葛藤

第22話

休日明けの仕事は忙しい。だから残業してるといつの間にか朝になってたりで、職場に泊まることしばしば。泊まった次の日も普通に仕事がある。そんな中で仕事してる私ってすごいし、まじ偉いし。

疲れて家に帰ると、亮伍はなにやら動物番組のDVDを見ていた。


「ただいま、疲れたー」


「おかえり。仕事全部終わったの?」


「うん。なんとかねー」


「すげーな。飯食うか?」


「うん」


見ていたDVDを止めて、私の食事を準備しに行ってくれた。亮伍は職場では私の助手なんだけど、私の仕事は手伝えないので先に帰る。それがちょっとむかつくけど、家で私の世話を焼いてくれるのは助かる。

動物のDVDを勝手に再生して食事を待つことにした。これ、TVであるやつじゃん。録画してるくせになんでDVD買うんだろ?変なのー。


「おい!なんで勝手に再生してんだ!」


亮伍が食事を持ってきてくれた。


「おー!カツ丼好き!」


「おい!聞けよ」


亮伍から食事を受け取り、早速食べる。


「明日はトンカツがいいなー」


「嫌だ。ったく、俺が見てたとこどこだよ」


亮伍は一所懸命にDVDを操作する。これは戻って見るようなやつじゃないのにね。


「亮伍は職場に泊まんないけど、足助守のときは泊まってたの?」


「は?まあそうですけど。あいつ話しかけるから仕事進まねーんだよ」


まだ見てたとこに戻れなくて、いつまでも操作している。こいつ機械音痴だから。


「私~女の子なんすけど。泊まりすぎてね?」


「東京のときは残業もなかったのか?」


「いや、しょっちゅう泊まってたー。でもこっち田舎じゃん?だからなんか残ってる人少ないから怖くね?」


「そんなもん?」


そう言いながらまだ操作する亮伍である。


「あーくそ。最初から見る」


どうやら諦めたようだ。

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