足助守の悲しみ
第21話
柊と離れてしまって、元気を無くしている…けど、仕事はバリバリしてる。
元気のないまま食堂に行くと、桃川さんを見つけた。
「桃川さん。元気に雑用してる?」
「はぁーどうせ雑用ですよ!」
「俺は研究の発表とかいろいろ忙しくってさ~」
「嫌みかい」
「さてと~ご飯食べようかな~」
桃川さんの座っている席の目の前に座る。
「サラダだけとか、どんだけ草食なんじゃい」
「桃川さんは…それカツ丼?重すぎっ」
「へーへ~。どうでもいいっしょ?」
バクバク食べる桃川さん。全く女の子らしくない。
「ねね、桃川さん。吉越まりこから連絡とかあった?」
吉越まりことは、俺の代わりに青森に行った獣医だ。元カノだけど。
「は?まりこ?青森行ってからなんにもないけど~?柊から連絡ないの?」
「ないよ。俺が電話してるけどー無視したりすぐ切ったり」
「あっそ」
「柊と吉越まりこなんて犬猿の仲になるに決まってるよ。柊うざいしなぁ」
「知らんよ」
「もしかしたら柊、仕事ばっかさせられて疲れてるんじゃ…」
「さぁね」
「もしかしたら、見下されたりしてるかも…」
「ないない」
「もー柊と遊びたいのに~」
「あっそ」
「柊元気なのかな?」
「さあね」
「もー電話する!」
携帯で早速青森にいる柊に電話する。
「もしもし、柊?」
「またお前か!」
「元気?」
「ウザいんですけど。じゃっ」
そう言われると電話は切れた…。うわーん。柊いじめだ!
「…桃川さんが吉越まりこに電話してよ」
「え、めんどい。じゃ、食べたから行くね」
えぇー。取り残されたし。ひどい!
「くそー!多喜ちゃんに電話してやるー」
今度は福岡にいる親友の
「もしもし!多喜ちゃん?」
「なんだ?」
「俺さー柊にいじめられてさー」
「柊って誰?」
「……多喜ちゃんのわからずや!」
「は?」
電話を切ってやった。なんで柊を知らないんだよ。むかつく。俺だけ柊のこと心配して偉すぎるんですけど!柊のバカー
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