第15話

「うん!そうなの~」


「いやいや、まりこ。さっき言ったじゃん?」


信じられん!ニュースでは話題になってないし、相手チャラこいつ誰だよ!有名女優を虜にしたやつは!


「そもそも、なんでこいつと友達なの?」


亮伍を指差しながら、离緒さんとやらを見た。


「あのねぇ~亮伍くんの実家が家の近くなの~」

「俺んちも近い」


チャラい兄ちゃんこと柴田さんがしゃべった。


「俺はお前みたいな有名進学校行ってないからさ。高校までこいつらと同じ」


そうか…普通の学校から大学入ったのか。だからこんな友達がいるのか…なんてのんきに考えた。


「亮伍、新しく入ったの見る〜?」


「見る」


「いいの入ってさ~」


「おま、まじか。見せろよ」


亮伍たち男子は携帯の画像を眺めて楽しみだした。自由すぎ。


「あの~まりこさんって呼んでもいいですかぁ?」


突然离緒さんが話し始めた。


「え?どうぞ」


…てか有名女優に名前呼ばれてんじゃん!すごいんですけど!


「まりこさんは爬虫類、好き~?」


なんの質問?


「普通かな?」


「尚兎の写真は珍しい蛇ですよぉ?見なくてもいいんですか?獣医さんだし…」


正直どうでもいいけど…女優さんが言うなら…


「じゃあ…ちょっと私にも見せてもらっていいですか?」


「え?いいけど」


チャラい兄ちゃんがすんなり見せてくれた。


「おい、俺が見てたんですけど?」


「え?なにこれ!まじでこれ家にいんの?」


「おい、まりこ俺にも見せろよ!」


「柴田さん、どうやって手に入れたんですか?」


「企業秘密で~す」


「すご」


珍しいものってつい興奮しちゃうものね。不覚にも楽しんでしまった。だって図鑑でしか見たことないんだもーん。知り合いが撮った素人写真とか、レアすぎじゃーん!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る