第12話

気付いた時にはもう1週間すぎてるし!仕事が忙しいからしょうがない気もするけど…。

そんなこと考えてたある日。


「今日暇?」


「え?うん」


「俺んち来る?」


「でもあんた仕事もう終わりじゃないの?」


「残業するよ」


「そ、じゃあいいけど」


って私の都合に合わせてもらってるし。そんなわけで仕事終わりに、一緒に柊先生宅まで向かった。


「そういえば、俺の名前知ってんの?」


「柊?」


「ちげーよ名前」


「知らないけど?」


「ひど。亮伍りょうごなんですけど」


「じゃ、私の名前は?知ってんの?」


「まりこでしょ?」


なにこいつ…偉そうに!そりゃ、名前知らない私も悪いけどさぁ~


「着いたよ。入って」


柊先生宅に着いた。私のアパートよりは小さい。しかし、部屋の中は綺麗だった。意外!で、玄関には水槽…?


「なにこれ?」


「メダカ。かわいいから飼ってる」


「解剖すんの?」


「しません。ペットです」


「ふーん。変なの~」


「変じゃねぇよ!」


部屋に上がってから、しばらくはくだらない話をしていた…


「何食べたい?」


「え!いいの?じゃあ…やっぱなんでもいい!」


「文句言うなよ?」


「もちろん!」


作ってもらうの逆じゃない?と思ったけど、もう作ってるからいいか。

柊宅は整然としているが、動物番組のDVDとかもあるしやっぱ動物好きなんだと実感した。でもメダカって魚だよね?


「できたぞ~」


「ありがとー!え?何これ?」


「天ぷらうどんだけど?」


なぜに天ぷら揚げた?でもおいしそう!


「いただきまーす!…うまっ!」


「そりゃどーも」


「毎日作ってんの?」


「まぁね。お前は料理できんの?」


「人並みに?」


「ふーん。今度作ってよ」


「え、やだ。面倒だし」


「あっそ」


もぐもぐ食べる私。まるで女子力ないんですけど。そのまま食べ続けた。


「はぁ~おいしかった!ごちそうさま」


「豪快だな」


柊先生と一緒にいると、昔足助守に振られたことを忘れられた。彼と職場でもしも会ったとしても、同期として対応できるかもしれない。足助守も私と同じように、いい人を見つけられたらと今は思う。

柊亮伍には感謝してるけど、もし私を振ったら絶対許さないから。

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