吉越まりこの変化

第10話

いきなり…なに？

…どうしよう。

まじ顔だし…！

ってかなんで私？

｢な、な…私なんていいとこないじゃん！｣

｢俺と話が合うから｣

そ、それだけかい…！

｢嫌ならいいけど｣

んなあっさり！私なんて守に告白したとき、すごいどきどきして死にそうだったんですけど？なにあっさり言ってんのよ！

｢…まだ会ってからちょっとしか経ってないじゃん。全然私のこと知らないでしょ？」

｢じゃあ、教えて。そしたらいいじゃん｣

｢は？知らないくせに誰が付き合うわけ？｣

｢俺は、お前がいいと思った。それじゃだめ？｣

なによそれ！

｢…見た目ってこと？｣

｢いや、それもあるけど…何だろ、ん～真面目で努力家で、あと寂しがりでほっとけないっつーか、そんな感じ？｣

｢な…！｣

私のことそんな見てたの？どうして私なんか。足助守にいきなり振られた私だよ？

｢おい、聞いてんの？｣

うるさい…！

｢…私のこと、幸せにしてくれるの？｣

｢ま、人並みに？｣

｢なにそれ…｣

適当すぎんのよ…！

｢まぁ足助みたいに振ることはないかもね～？｣

｢バカ！私のこともっと大事にしろ！｣

｢えーなにそれ。上から目線なんですけど｣

｢うるさい！｣

｢で？付き合うの？どっち？｣

｢…さっきから言ってんじゃん！｣

｢は？言ってねぇじゃん？｣

｢私もあんたが好きかもしんない！｣

｢かもってなんだよ｣

柊先生は笑った。

その優しい表情は、なんだか私を安心させてくれる気がした。