虹色の美少女様

第1話 虹色の美少女様

　俺が通ってる丘の上高校には、七人の美少女。通称、虹色の美少女様（にじいろびしょうじょさま）がいた。

　俺の名前は流川港（るかわみなと）……

　俺は、今や聞かない日はないと言われているほどの大企業、流川グループのトップである、社長の一人息子だ。

　自分で言うのはなんだが、容姿は大変整ってる……そんでもって俺は学校で学年一位をキープしている。

　そう……俺は完璧なのだ……

　今日は社長である、親父に呼ばれて、会社のオフィスの社長室に足を運んだ。

　俺は社長室のドアを軽く鳴らし、社長室に入った。

「失礼します」

「おお！　港！　どうだ、学校の方は順調そうか？」

　今、俺にこうして聞いてきているのは……俺の父であり、流川グループ全体の社長、流川英智（るかわひでのり）である。

「はい！　順調です！」

「それはよかった！　それでお前をここに呼んだ理由だが……」

　そう言って親父は、ドアの方を見る。

「入って来なさい！！」

そう親父がドアの向こうに言うと。

「失礼します！！」

そう言う女の人の声が聞こえ来た。

「こんにちは！　流川くん！！」

　あれ？　この人……どこかで？

「この人は、新太の通っている学校の理事長を務めている。小林透子（こばやしとうこ）さんだ。」

「どうして？　理事長さんが？」

　俺は率直な疑問を親父にぶつけた。

「それはね！　私の会社が丘の上学園と何かと繋がりが深くてね！」

「そうだったんですね……」

そうだったのか、初耳だ

「理事長、例の話を」

そう親父は理事長に話をするようにふった。

「はい！　社長！！　港くん！　私は前々から社長にご相談されていた事あって……」

「なんでしょう……？」

社長が、わざわざ俺の学校の理事長に？

一体なんだというんだ？

「港くん！　あなたの、許嫁について……」

　……は？　許嫁とは、あの許嫁か？

「許嫁とは？　どういう事なんですか？」

　急に理事長に許嫁が何だか言われても全く検討がつかない……

「それでね！　丘の上高校には虹色の女神様がいるじゃない！　その中からあなたの許嫁候補を探そう！　っということになったのよ」

　……は？　この人は頭がおかしいのか？

「ちょっと待ってくれ！　いきなり許嫁だか何とか言われても困る、大体、俺は、恋愛などと言う非効率な事に全くと言っていいほど興味がない！　という事で、理事長諦めてくれ！」

　俺はいきなりそうなことを言われて動揺してついつい敬語を忘れて喋ってしまった。

「え〜恋愛も楽しいわよ！キュンキュンしたり、手を繋いだり、一緒にどこかにデートに行ったり」

「ふん、俺にはやっぱりそれの何がいいのかさっぱりわからん！！」

　俺は、再度、理事長にそう言った。

「まぁ、いいわ、明日の放課後、理事長室に来てもらえないかしら？」

「理事長室ですか？」

「そうよ！　じゃあ、よろしくね！　流川グループ次期社長」

　ふん、次期社長と言われて悪い気はしないな！　まぁ、いいちょっとだけ理事長室に行ってやるか……

　ーーそして、次の日

　俺はいつも通り、学校に来て、いつも通り、教室に入った。

「よーう！　港おはよう！！」

「ああ！　おはよう！」

　今俺に話しかけて来たのは、俺と同じクラスで友達の名は有馬蒼士（ありまそうし）という。

　こいつは、この学校で理事長以外で唯一俺の正体が流川グループの一人息子という事を知っている。

「どした？　お前、なんか疲れたような顔をして」

「えっ？　別に俺は疲れてなんかいないぞ」

　俺は身に覚えがなかったのですぐに否定した。

　もしや、俺は許嫁の件を気にしてるのか？

　そんな事を思っていると一人の女の子に話しかけられる。

「あっ！　おはよう！！　流川くん！！」

「ん？　あ、おはよう！　山瀬」

この子は山瀬赤音（やませあかね）こいつは、あの虹色の女神様の一人で特徴的なのはやはり、あの赤い髪の毛だろう。

「今日も学校、一緒に頑張ろうね！！」

「ああ……」

　そう言うと彼女は友人と喋りに行った。

　……全く何だと言うのだ……

　ーーそして……放課後……

　俺は理事長実の前で待っていた。

　俺は勢いよく理事長室のドアを開ける。

「あら！　やっと来たわね！　新太くん」

　そう、理事長が俺に向かって言う。

「……うん？」

　理事長室を開けて中には入ると、そこには、虹色の女神様が全員集合していた。

　そして、理事長が全員集まった事を確認してから、話を始めた。

「よーし！　全員揃ったわけだし！　話を始めようか！！」

「手短にすませてちょうだい！私だって、暇じゃないのよ！！」

　今、そう言った人は虹色の女神様が一人、名を有栖黄華（ありすきっか）と言う。

　特徴的な黄色い髪の毛とショートカットヘアが特徴の美少女だ。

「ちょっと！　黄華ちゃん！　だめだよ！　理事長先生にそんな事、言ったら！！」

　今、有栖にそう、注意を施したのが、先ほど俺に話しかけてきた俺と同じクラスの山瀬赤音だ。

「すまないねぇ、手間をとらせて、さて、本題に入ろうか！！　そこにいる流川港は、何を隠そう！　あの流川グループの社長の一人息子なんだよ！」

　そう理事長が言うと、虹色の女神様たちが一斉に俺の方を見る。

　ふん、無理もないな！　だってここにいるこの俺、流川港は、将来、この世界を背負って立つ会社の次期社長の一人かのだからな

「そこで！　虹色の美少女様の中から一人彼の許嫁になってもらおうと思ってね！」

「…………！？」　

「はぁ〜〜〜〜！？」

そう、虹色の女神様が一斉に叫び声を上げた。

「今の話……本当なんですか？」

　そう、山瀬が理事長に聞く。

「当たり前じゃない！　もう、あなたたちの親御さんには許可をとっているわ！」

　おい……一体、俺の親父は虹色の女神様の親に何円つんだんだ……

「嫌よ！！　こんな奴の結婚相手なんて！　こっちから願い下げだわ！！」

　そう、有栖が言った。

「ちょっと！　待て、お前、今、俺をこんなやつだと言ったな！　訂正しろ！　今すぐに！」

「は？　お断りだわ！　何度だって言ってやるわよ！　バーカ！！」

　……！？　この女！？

　今、俺にバカと言いやがったな！

「ええ〜！！　あたし、結婚しちゃうんですか！？」

　そう今、悲鳴を上げたのは、白雪紫月（しらゆきしずき）……紫色の髪の毛が特徴である。

「私は〜快適なベットとげーむがあればなんだっていいです〜」　

　そう言葉を漏らしたのは……胡蝶藍花（こちょうあいか）である。

　青い髪の色が特徴の美少女で、いつも眠たそうにしている。

「結婚という事は！　あなたは、あたしと一緒に魔界のドラゴンと戦ってくれる戦士ということですね！」

　はっ？　こいつは、何を言っている？

　今、意味のわからん事を言ったのは、加藤緑久（かとうみく）と言う。　

　特徴的なのはやはり、緑色の髪の毛だろう、あと　何でこいつは、おでこに眼帯を巻いているだ？

　怪我をしているのか？

「…………っ！？」

　そう恥ずかしがりながら今の状況に動揺しているのは椎名青依（しいなあおい）という。

　特徴的なのは水色の髪の毛だろう。

「いきなり……そんなこと言われても困るな……」

　そう言ったのは、真白橙架（ましろとうか）と言う。

　特徴的なのはオレンジ色の髪の毛だろう。

　あと、この女は確か生徒会長やってなかったか？

「流川くんの許嫁ってどういうこと！？」

　そう、山瀬が動揺を隠さずに言った。

　すると、理事長が

「驚くのはまだ早いぞ！！　これから君たちにはしばらくの間、共同生活をしてもらう！！」

「はぁ〜〜〜〜〜！！」

　これには虹色の女神様達とついでにこの俺も含めて叫んだ。

「おい！　理事長！！　そんなの聞いてないぞ！　」

「あら？　言ってなかったかしら！」

「ふざけるな、俺は全くもってこの話は、断らせてもらう」

　そう言って俺はそのまま回れ右しながら、理事長室を後にした。

　そのまま俺は家に帰宅した。

　だが、そこには引越しのトラックが来ていた。

　……はっ？　どう言う事だ！？

　俺はとりあえず俺の使用人であるじぃに電話をかけた。

「おい！　じぃ！　なぜだか、知らないが俺の荷物がトラックに積み込まれていく！　どうにかしろ！」

「それは！　どういうことですな？　お坊ちゃん？　」

「じぃ、いますぐ！　こっちに来い！　いますぐだ！」

「……はっ、承知いたしました。お坊ちゃん」

　そして、しばらくして、じぃが運転する車が俺の家の前に到着する。

「おい！　見ろ！　これはどういう事だ！　俺の荷物が勝手にトラックの中に入れられているではないか！」

　そうじぃに状況説明しているとそのトラックは、どこかに走り始めた。

「おい！　待て！！　じぃ！　今すぐあの車を追え！　いますぐだ！！　早く！」

「は！　坊ちゃん！！　直ちに！」

　俺はじぃが運転する車であのトラックの後を追った。

「坊ちゃん！！　これは！」

　俺がトラックを追いかけて、行き着いた先はとてもでっかい家の前だった。

　なんだこれは？

「おい！　そこのお前ら、勝手に俺の荷物をトラックに入れて、こんな所に来て、ただで済むと思うなよ！」

　俺はそう、トラックにいた引越し業者らしき人に言った。

　すると……

「お坊ちゃん！！　これは社長に言われて仕方なく！！」

　そう、引越し業者の人が言った。

　待てよ、こいつら、引越し業者か？

「……なに？　お前らは！」

　俺はその引越し業者らしき人の顔を見ただけで一目でわかった……

　こいつらは、親父の使用人なのだから

「おい！　親父に言われたからってどう言うことだ！」

「それは、社長にこの家にお坊ちゃんの荷物を運ぶように頼まれて……」

　は？　なぜ、親父がそのような事を頼む？

「とにかく、お坊ちゃん！　この家の中に入ってください！！」　

　そう俺は親父の使用人に促され、でかい家の中に入ったすると

おい！　何でこの家に……！？

「虹色の美少女様がいるんだーー！？」