五章

一頁ー愛Ⅱー 【閲覧注意】


【注意】

五章は他の話に比べ、表現が過激となっています。

五章を読まなくても続きを読めるようになっているので、苦手な方は六章へお進み下さい。









白い空間。ぎし、とベッドが軋む音がする。彼岸は機嫌が良かった。宵月の首元を食む彼岸に、宵月はぼんやりと呟いた。


「もうこんな事、辞めにしないか……」


彼岸も何処か上の空だった。彼岸は少し不機嫌そうにすると、宵月の唇に触れながら言う。


「私が辞めても、"あの子"は辞めないと思うけれどね」

「……あの子……?」


不思議そうに宵月は彼岸を見つめた。彼岸も何処か驚いた顔をしている。どうしたのか、と思案していると、突然髪を掴まれた。そのままベッドの角へと頭を叩き付けられる。頭から血が流れるも、彼岸は構わない。


「宵月は私の言う事だけを聞いていればいいんだよ。……それとも、まだ躾が必要?」


彼岸が宵月へと覆い被さる。そのまま再び身体をまさぐられて、彼岸の手が宵月の感じる箇所へ滑る。


「ぁ……」


宵月は抵抗出来ぬまま、快楽に落ちていく。



目覚めたら白い空間に居た。白い床、壁、天井。家具はない。壁に鎖が打ち付けられており、それに両腕を縛られている。エデンは、前の世界での事を思い出して戦慄した。


「やあ、エデン」


声がした。そこにはあらゆる道具を揃えていたハーロックが居る。エデンは顔面蒼白になり、彼を見つめる。ハーロックは仄暗く微笑んで、エデンに迫った。手に持っているナイフで、エデンの足を刺す。


「んんぁっ!?」


凄まじい激痛と、歪な快楽を感じて、エデンは叫んだ。可笑しい。この身体は何か可笑しい。


「中々良いだろう? 痛覚を倍にする薬と、痛覚を快楽に変える薬」


ハーロックが爽やかな笑顔で言う。頭が痺れながら、エデンは自身が"反応"しているのが判る。その気持ち悪さを感じながら、エデンは身動ぎした。


「沢山あるから、楽しもうね……エデン?」


様々な道具の中に、注射器や液体の入った瓶も並べられている。ぞっとしたエデンを他所に、ハーロックはエデンの頬に触れ、唇に深く口付けた。舌を入れられ、中を蹂躙し、舌を甘噛みして強く吸う。痺れるような快楽を襲い、エデンは苦しそうに息を漏らした。


「……はぁっ」

「ふふ、可愛いね、俺のエデン」


唇を離し、舌舐りしながらハーロックは言った。これから何が行われるのか、此処は何処なのか、エデンは考えながら"彼"を思い抱いた。


「宵月……」


ハーロックが冷めた目で此方を見る。もう一度ナイフで太腿を突き刺して、同時にエデンは苦痛と快楽で嬌声を上げた。


「エデンは俺の事だけを考えてればいいんだよ。判ってる、エデン?」


口元を口付けて、耳を甘噛みする。それすら快楽になって、反応したくないのに反応してしまう。いやいやと首をふっても、ハーロックは辞めなかった。


「これから、俺とエデンは愛し合うんだよ。あんな奴……"裏切り者"なんて忘れてさ」


言っている意味が判らなかった。理解したくなかったのかもしれない。それから、ハーロックによる拷問が始まった。





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