第2話 始まり(スタンバイ) 前2
「あっ! 成る程、確かに、このコバンザメに知られたら、
折角のこの安らぎルームが無くなるね、だから、
この家から、時々、ミニ四駆の走行音が、家の前を通る時に聞こえたんだ」
水無月は、三葉の説明に納得のいく
「確かに、幼~高校まで、三葉の隣に居たけど、まさか、ここまで嫌われていたとは」
勝利は、今まで、三葉に執着していた為、三葉が、表面で嫌っていることを表情に出さずに、勝利に接していたので、事実を知って凹んだ。
「勝利、あんた、折角ハツカノが出来たのだから、LINEして、慰めて貰えば」
三葉の冷たい、言葉に泣きながら、彼女にLINEする、勝利だった。
「三葉お姉ちゃん、今、ふっと、思ったけど、勝利兄ちゃんへの対応が、
冷たくしたのは、いつからなの」
水無月の疑問に
「この対応はね、中学に上がる頃に遡るよ」
三葉は、水無月に今でも恨んで、居ることが有る。
「それは何?」
「それはね、こいつ、あたしが告白されるとき、妨害工作して、
必ず不成立もしくは、最短で翌日、最長で一週間内にある事ない事を
告白してきた、相手意外にも広めていたのよ。」
「うゎ~ 最低だ」
「しかも、高校卒業まで、其れが原因で、同性の友達からは、
ハブられて、お陰で中学~現在まで、ボッチだよ」
三葉の恨み節を聞かされた、水無月は、
共感して三葉と一緒に勝利を見る目がゴミを見る目になっていた。
「三葉お姉ちゃん、ゴミ男が広めた内容は、どんなのが有るの?」
水無月は、三葉お姉ちゃんから、情報を聞き出して、姉妹で共有して、
勝利を軽蔑する事を決めた。
「良いよ、お教えてあげる、奴が、広めた内容で一番腸が煮えくりかえるのが、
中学の時にP活している上にホテルで複数人で遊んでいる、女性特有の周期が来ないから、相手不明の子供を妊娠していると広めたのよ、
あたしは、まだ、異性とは、誰一人交際していないの、綺麗な身体なの、
月ものは、中学の2年の頃に来て居ます、現在もキチンとした周期で来ていますから、
あたしの王子様は、何処に‼」
水無月は、同じ女性として、許すことが出来ない内容だった。
「三葉お姉ちゃん、今の内容は、事実無根で良いのよね?」
水無月の確認に三葉は、
「うん、全部、事実無根だよ、全部、奴の嘘だよ」
「分かったよ、今の話、私達の世代でも有名だから、
姉妹スピーカーで事実無根だって、拡散して、ゴミ男の評価を地に落としておくよ」
水無月からの一言に、これまで、家族や妹に頼る事が出来ず、
味方がおらず、独りで耐え忍んで、堪えていた、
三葉の頬に一滴の透明な物が津たり落ちた。
「あれ? 可笑しいな、辛く無いのに、涙が」
「うん、うん、頑張ったね三葉お姉ちゃん、
これからは、独りじゃあ無いよ、私達、月夜見姉妹が、
三葉お姉ちゃんの味方だよ、もう独りで、これ以上、抱えこまないで、
悩まないでね、たまには、私達姉妹に愚痴を言ってよ」
それまで、独り孤独に耐えて涙を封印していた、
三葉だったが、涙の黒部ダムが、放水を初めて、
水無月の胸に顔を埋めて、声を上げて、
今まで溜めこんでいた、涙の黒部ダムの放水は、止まることをしらない。
それだけの仕打ちを、クズ男である、勝利は、してきたのだった。
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