第5話 ひとだま
子どもの頃の記憶である。
夏の夕刻、祖母が営む文房具店の店先で憩っていた。
あやしい雲行きで、もうすぐ夕立がきそうだと思っていると
「こんなときひとだまが出る」
と祖母がいった。
すると店に本当にひとだまが入ってきた。
ひとだまは床を這うように低くふらふら飛ぶと、不意に消えた。
熱さや匂いはなかった。
薄いオレンジ色のひとだまだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます