第43話 華と渋谷散歩
東京駅まで戻ると、僕は初江さんと別れ山の手線へと乗り換えた。
初めて来た東京での単独行動は緊張するな
僕は何処へ向かっているかと言うと渋谷である。
昨夜父との面会が昼前に終了する事は分かっていたので、LINEグループで遊ぼうと提案したのだった。
あいにく香澄は午後から帰省で、詩音に至っては外国に行くそうで、結局華だけが付き合ってくれる事と成ったのである。
渋谷で降りると凄い人混みの中、スマホのアプリで調べながらハチ公様を探し始める。
数十分後
「あったー」
僕は肩の力が一気に抜けて行った。
数多くの人達を見回すが華の姿は見えない、まだ約束の時間前だし適当に腰掛けて待つ事とした。
暇なので興味津津に人生観察をしてると、僕を呼ぶ声が聞こえて来た。
「ん?」
呼ばれた方向に目を向けると、ボーイッシュな華が走って来るでは無いか。
「待たせちゃってごめんね」
「ううん、今来た所だから大丈夫よ」
これではカップルの待ち合わせに見えてしまう。
華は手を差し伸べると、僕を立たせ歩き始めた。
「手を離さない様にね、初めてだと直ぐに迷子に成っちゃうよ」
「うん」
完全にエスコートされてる、それでも初めての渋谷は嬉しくてたまらなかった。
センター街を物色し、1つ裏の路地に入った所に建ってるレトロな喫茶店。
「ここで休憩しよう」
「はーい」
今日の華は非常に頼りに成る、何時もこれなら凄く助かるのにな。
「あれー、華じゃないか?」
「あ、原田くん」
「久しぶりだな」
華に話し掛けて来た2人の男子は当然の様に相席して来た。
「華、この方達は?」
「ああ、紹介するね」
どうやら華と同じ小学校だった人達である様だ。
「この娘は華の同級生?」
「諏訪真と申します」
「凄く可愛いね、香澄の10倍は可愛いんじゃないかな」
「原田くんは香澄とどうなったの?」
「どうなったのも何も別に対して思って無かったからな、俺は真ちゃんみたいな娘がタイプなのよ、連絡先交換しない?」
思い出した・・・・原田徳之助、香澄と一緒に一度会った事がある人物だ。
「華はもちろん交換するよな?」
「う、うん」
3人が交換してるのを黙って見ていた。
「真ちゃんも早く交換しようよ」
「ごめんなさい、私は遠慮しとくわ」
残念そうにする男子2人。
話を聞いていると、いかに小学校が楽しかったかが伝わって来る。
僕は密かに羨ましいと感じながら窓の外を眺めていた。
「私達はそろそろ行きましょうか」
暇そうにしてる僕を気遣った、華の言葉に頷いた。
「これから一緒に行動しないか?」
「だめー、今日は私と真のデート何だからね」
そうだったのか
「真ちゃん、またね」
「はい、ごきげんよう」
僕は満面の笑顔を作り、その席を離れた。
喫茶店を出ると、華は何事も無かったかの様に僕の手を引き進み始めた。
「渋谷はどう?」
「とっても楽しい」
僕は心から答えていたのだった。
それからは、ゲームセンターやボーリングなどなど様々な遊びを教えてくれたのだった。
中でもプリクラには感動し、大切な宝物として大事にしようと心に誓う。
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