第39話 真の秘密

これ以上話が深まって行く前に本題をと切り出そうと思った所。


「真ちゃんは香澄さんの事を、どう思ってるの?」


「どうって、ただの幼馴染と思ってますよ」


「そうか、でも香澄さんは違うわよね」


七海の言いたい事は分かっている、それは横浜へ言った時に知った。


「簡単に言えば私は、香澄さんに宣戦布告したのよ」


「なっ」


昨夜の香澄の態度に納得出来た。


「それで、何故私を呼んだのです?」


「生徒会室での話を覚えてるかな、私は欲しい物を必ず手に入れる、手段なんて関係無くね」


「その手段とは何ですか?」


「私は貴方の秘密を知ってる」


僕は一瞬動揺してしまった、彼女も悟っただろう。

普段なら何でも無く対応出来るのだが、彼女の目が真剣そのもので嘘を感じなかったからだ。


「いつからですか?」


「本当に偶然だったのだけど、友達とお茶してたら香澄さんが男子と一緒に入って来たのよ」


ああ、しつこいと言う男を追い払った時の事だな。


「真ちゃんが幼馴染以上の感情が無いと言うのは信じる、状況的に香澄さんを助けたとか、そんな感じなのかな?」


七海は実に賢いな。


「普段クールで、学校でも可愛いと評判の真ちゃんに、コスプレの趣味があったとはね、それも男装までするなんて・・・・ふふふふ」


七海は口に手を押さえて嬉しそうに微笑した。


賢いと言うのは訂正しよう、しかし油断は出来ない。

何とか突破口を見つけ、見当違いな所に話を落とさなければ行けない。


「私は良いと思うわよ、男装の真ちゃんも可愛かった、でも・・・・やっぱり可愛い服を着せて脱がせてをしたいかな」


この人はやっぱり異常だ、今までも気に入った娘を見つけると、そういった事をしてたのでは無いかと疑ってしまう。


「それって遠回しに、私を脅迫してるのですか?」


「まさか、私もコスプレは好きよって話」


結局何が言いたいんだ?


「一緒にいた友達って言うのがね、駆流君を抜いた生徒会だったの、私は口に出さなかったけど、後の2人は気が付いたのかな?」


結局は脅迫じゃないかよ


「幼馴染カップルって素敵よ」


「それは違うって分かってますよね?」


「私は分かってるわ、でも香澄さんは違う」


「そんな事言っても、私は七海さんの物になんて成りませんよ」


「それも分かってる、でも問題に成るのも困るでしょう?」


それはそうだ、そんな些細な下らない理由で本性が知られても困る。


「それでね、全て忘れて上げる代わりに、1つだけ簡単なお願いを聞いて欲しいの」


「内容によります」


何を要求してくるんだ?


「生徒会に来て欲しいと言ってたのは覚えてるわよね、あれって結構人が足りなからと言う部分もあったのよ、そこで秋の文化祭の時だけ臨時で手伝ってくれないかな?」


「大した役には立てないと思いますけど?」


「簡単な補佐の仕事などだから大丈夫よ」


「それ位なら・・・・分かりました、約束は守って下さいね」


「もちろんよ、引き受けてくれてありがとう」


これが落とし所なら十分だろう。



真が通う西条学園は中・高共に1年に1度だけ秋にイベントがある。

今年が文化祭、来年は体育祭、再来年は修学旅行とローテーションして行くのだ。

生徒たちは3年間で必ず、どのイベントも1度は経験する様に成っている。



僕の話が落ち着いた所で、折角の機会でもあるので駆流の事を聞いて見る事にしたのである。





















































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