第37話 女子達はサウナ

僕が髪を乾かし終えると同時に下の方が騒がしく成って来た。

どうやら3人が帰って来た様だ。


僕も出迎えに行こうかな。


部屋を出て階段を降りる所で3人に声を掛ける。


「3人共、楽しめた?」


「真、調子はどうなの?」


「お風呂に入らせて貰って、部屋で休んだら調子も回復したかな」


「なんだ、もう入っちゃったのか」


華は相変わらずだな。


「華! 真をそう言う目で見てはダメよ!」


香澄の口調の強さに華も少し動揺した様で、凄く気まずそうな顔をしている。


「華ごめんね、今度一緒に洗いっ子しようね」


僕は優しく微笑んだ。


「やったーー、真の許しが出たぞー」


先程の落ち込みは何なのだったのだろう、既に通常運行へと戻っている。


「そ、その時には私も是非にお願いします」


詩音まで懇願してくる始末だ。


女子と言うのは皆、煩悩にまみれた存在なのだろうか?

普段とは違う香澄の激しい口調から、何かが有ったのは確かな事だろうと予想される。

原因は詩音か七海辺りだろう予想出来る。


「香澄、華、サウナに入りませんか?」


サウナだと?

どんだけ豪華な別荘なんだよ。


香澄は少し戸惑ってる様だが、華は行く気満々でいる。


「真に付いて無くて平気かな?」


「ありがとう、香澄も疲れただろうしノンビリしておいでよ」


「うん」


3人は一度部屋に戻ると仲良さそうにサウナへと行った様だ。


どうやら香澄の原因は詩音では無さそうだな、多分七海と何か有ったのだろう。

生徒会室で七海と2人きりだった時、彼女は完全に素の自分も見せてたからなぁ。

香澄では圧倒されてしまったのかも知れない。

さり気なく聞いてみてから対応を考えてみるか、知らないふりをするか迷う所だ。



サウナでは既に華が脱落していた。

残った香澄と詩音は会話を楽しむ。


「詩音は楽しめた?」


「自分でもびっくりする程気に成らないわ」


全く迷い無くの即答だった。


「それなら、明日のBBQも大丈夫そうね」


「香澄、七海会長さんと駆流さんは既に付き合ってるのですかね?」


逆に詩音が興味有りげに質問したのである。


「どうなんだろう、噂は有るけど詳しい事は分からないかな」


香澄は付き合っていない事を隠した。


「そうですか、どちらにしろ既に私は関係ないので構わないのですが、噂の信憑性を知りたかったのですよね」


「詩音は噂とか信じるんだ」


「私自身は余り信じませんが、効果があるなら使えるかなと思いましてね」


「使うって何に?」


「はぁぁぁ、私も限界な様です、倒れる前に出ますね」


詩音がサウナから出ると、香澄も後に続いた。

華はと言うと既に洗い終え、広い湯船で幸せそうに浸かっていたのである。


「詩音、香澄、洗うの手伝おうか?」


2人は即答で拒否したのは言うまでも無かった。





































































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