第34話 憩いの浜辺
エメラルドグリーンの綺麗な浜辺に沿った道路を左折し、1分程走った所に建っている、1軒の大きな別荘の前で止まった。
「着きました」
里美さんは車を降りると手早く荷物を下ろし始める。
それを見て僕や香澄、華は慌てて手伝いに向かったのだった。
「すみません、私達が自分でやります」
「分かりました、では詩音様のだけお運びしますね」
詩音は当然の様に里美の後へ付いて行く。
建物に入るとリビングへと案内された。
「皆様、お部屋割はどう致しましょうか、数は揃ってますので個室でも大丈夫ですよ」
「2人づつにする?」
詩音が僕の顔を見ながら提案した。
「私は個室が良いな」
個室があるなら当然個室だろう。
「私はどっちでも構わないよ」
華が言った事で詩音も引いたのか、全員個室と成ったのである。
僕は案内された部屋に入り安心する。
これなら着替えるのも心配ないし、ゆっくり睡眠も取れそうだ。
「さて着替えるかな」
僕は独り言を呟きながら水着に着替え始めるのであった。
やはり少し恥ずかしいな下着と対して変わらない、パーカーと短パンも履いて行くか
後は帽子と日焼け止め持って完璧だな。
背中は香澄に塗って貰おう。
僕は日焼け止めと浮き輪を持ってリビングへと向かった。
「それでは皆さん行きましょうか」
里見さんがパラソルを持ち、後のチェアーなどは4人で分けて持った。
別荘を出てから5分位で浜辺へと着く、流石に穴場なだけあって人も少ない。
その代わり海の家などの建物もわずかばかりだ。
「この辺がよろしいでしょう」
里見さんは手際良く憩いの場を完成させて行く。
その間に僕は持って来た浮き輪を膨らませていた。
「真は泳げないの?」
華の質問に息を吹き込みながら首を振った。
詩音は便利アイテムを使ってイルカさんを膨らませている。
「詩音は泳げないの?」
「いいえ、泳げますよ」
「全員泳げるのか」
少し残念そうにする華。
彼女は何を期待して企んでいたんだ?
とにかく旅行の間は普段より注意しないと行けないと思う。
僕は持って来た日焼けクリームの蓋を開け、足から塗り始めた。
「真、私が塗って上げるわよ」
素早く気付いた詩音が僕の前までやって来る。
「ありがとう、でも素肌の出てる所だけだから大丈夫」
「そう」
何故悲しそうな顔をする?
僕だったら頼まれても良い気分には成れないけどな、ヌルヌルして気持ち悪いと思えば、暫くしてベタベタした感覚に成ってくる。
小さい頃から大嫌いだったのがこれである。
香澄に頼むのも本当は気が引けてるのだよな、でも後の2人は不安過ぎるから仕方が無いと思うべきか。
取り敢えずは無事に終わる事を願う事としよう
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