第25話 お泊りで計画

話は飛んでしまうが、やる気の無い華を3人で何とか落第点を取らせない所まで頑張り、無事に期末試験を乗り切ったのである。

そして現在は、華と約束した夏休みの旅行計画の為に、詩音の家へお泊まりに来ている所だ。


「父の話では別荘を使っても構わないと言っていたわ」


「やったーー」


詩音の言葉に喜ぶ華、当然と言えば当然だ。

これがご褒美、今回の飴なのだからな。


「それでね、海と山とあるのだけど」


「海が良い」


「海ーー」


詩音が話し終える前に香澄と華は海を選択した。


「真は?」


「私はどちらかと言えば山だけど、皆が海なら構わないわよ」


「それでは海と言う事で、日数は2泊3日で良いわよね?」


僕達3人は詩音の言葉に笑顔で頷いた。


出来れば山が良かった、何故なら正体がバレにくいからだ。

それでも、初めて友達との旅行なのだから嬉しさの方が大きいのは確かである。


「明日皆で水着を買いに行かない?」


「良いわね」


「行きましょう」


「・・・・」


「真は行かないの?」


提案者の華が寂しそうな顔で見つめてくる。


「私は普通の競泳用を持ってるから、それで良いかな」


「何時も思っていたんだけど気を悪くしないで聞いてね」


「うん」


僕は華が何を言いたいのか分からなかった。


「真って常に体育は欠席じゃない、体が弱いとか大きな傷、人に見られたく無い物があるとかなの?」


「そう言う訳では無いのだけど、体は強く無い方かな、でも心配はしないで普通に生活する分には問題無いから」


僕は嘘を付いた、絶対に見られてはいけない物と見てはいけない物があるのだ。


「ええー、それなら一緒に行こうよ」


「華、本人がいらないと言ってるのだから、無理は言っちゃダメじゃない?」


香澄は察してくれた様だが遅い!

海で無く山を推薦して欲しかった所だ。


「でも香澄だって真の可愛い水着みたいよね・・・・ね?」


「う、うん」


頑張れ香澄。


「私も真の可愛い水着姿見たいわ」


詩音まで何を


香澄が横目で僕をチラチラ見ると言う事は、自分では手に負えないって事だろう。

仕方が無い3人が悪いのでは無く、僕自身が悪いのだからな。


「分かったわ、でもエッチぽいのは買わないからね」


「やったーーー」


先程よりも大喜びを見せる華、詩音も嬉しそうな表情を向けてくれている。


僕と香澄は目を合わせると、お互い引きつった様な笑顔に成った。


明日は香澄の力を借りて出来るだけ無難な物を選ぶ様にしなくては行けないな。


それからは順調に話が進み、BBQのセットや遊び道具など一式を用意してくれると言う事に成った。


やはり駆流の元婚約者なだけはあって、相当な資産がある様だ。

そんなお嬢様の心を、僕が埋めるなんて出来る事では無いのではと、再び思ってしまう。








































































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