第24話 駆流の自信

駆流は適当に教科書を開いて僕に小声で話し掛けて来た。


「俺ってイケメンな方だと思う?」


突然何を、既に変な方向に話が行きそうな気がする


「イケメンだとは思うよ」


兄でもある事だし、僕は正直に答えた。


それからは生徒会室での事を全て聞かせて来たのだった。


「七海さんがそんな事を言って来たんだ、綺麗だし良い人だとは思うけど、駆流の相手としてはどうなんだろう、私が口出しする事では無いけどね」


「もしかして焼いてるのか?」


この男は馬鹿なのだろうか


「それは無い、逆に付き纏われなくて良い位よ」


「それなら何で合わないと言う様な事を言い出すんだ?」


「貴方は将来財閥を継ぐ当主に成るのでしょう、今から尻に敷かれて振り回されるのが目に浮かんだだけよ」


翔琉は本当に跡取りとして成長出来るのか心配に成って来た。

一応だが、父上から様子も見とく様言われてるしな。


「石川副会長と中川会計長はどうだ?」


「石川先輩も綺麗な方だと思うけど、中川先輩は会った事が無いから分からないわ」


要するにこの男は僕に自慢話を聞かせたいだけなのだな。

話に付き合うのが面倒に成って来た。


「1年女子の間では俺の評判ってどうなんだろう、何か聞いた事無いかな?」


「そうね、婚約者をあっさりと切り捨てた男とか?」


「う、詩音の事かよ」


「私個人では、それで友達に言い寄って来る男って感じかな」


少し言い過ぎたかな?


「そうだよな、でも今は」


駆流の言葉が止まった。


きっと七海さんや生徒会の人達に気が動いてるんだろう、何とも節操の無い事だ。


「でも、大半の女子は自分にもチャンスが来るかもと、思ってたりしてるかもよ?」


これは遺憾ながらも事実何だよな。


「所で真は気になる男子出来たのか?」


「いいえ」


「男子の中では、彼女にしたい娘でダントツにトップなんだが」


「興味無いわね」


はっきり言って嬉しく無い。

僕にはまだ恋愛と言うものが何か分からない。

友達? 親友? そう言う事の延長なのか、または全く別の物なのか誰か教えてほしい物である。

初江さんに一度さり気なく聞いて見た事はあるが、答えは時が来れば自ずと分かるからと言う様な事を言っていた。



放課後、僕達4人はクレープ屋に寄っていた。


僕の横に座った詩音が口元に付いた生クリームをハンカチで拭い取ってくれる。


「あ、ありがとう」


「うふふ・・・・良いのよ」


詩音が笑顔で答えてくれると、僕は自分が子供みたいで恥ずかしく成った。


「真ったら顔赤くして随分と仲良しね」


香澄が見ていた様で不満そうな顔を向けて来ていた。


「私だったら舐め取って上げるのにな」


「香澄は、何を可笑しな事を言ってるのかな?」


「私も真と詩音のなら綺麗に取って上げるよ」


華まで参加して来るものだから話がややこしく成って行く。


「私も次は綺麗に舐め取って上げるわね」


「もう、私は子供じゃないんだから、余りからかわないでよね」


それからは口元に気を付けながら食べたのは言うまでも無い事である。



































































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