第23話 2つのランチタイム

今日の昼食から詩音も加わり4人で囲む事と成った。


「中間終わったばかり何だけど、約1月ヵ後には期末テストが有るんだよね?」


華がフォークでプチトマトをつつきながら愚痴を言う。


「期末が終われば直ぐに夏休みだよ」


「真は余裕だから良いよね、詩音だって問題なさそうだしさ」


「私だって大丈夫・・・・なはず」


香澄が力なき言葉で呟く。


「ああーー、私の夏休みがーー」


華が頭を抱えると詩音が華の手を優しく握る。


「私が出来る事は何でも協力するわ」


詩音は優しい笑顔で微笑むと華もそれに答えた。


「詩音、その娘に何でもするとか言っちゃダメだよ」


「え?」


僕は中間の手伝いを思い出しながら心を込めて伝えた。


「真は酷いよね」


「今から少しづつでも頑張りなさい、それでも厳しい様だったら考えて上げるわ」


香澄からも突き放される華であった。



その頃、生徒会室でも雑談を交えながらのランチタイムが始まっていた。


「駆流君、無粋な事を聞いても良いかな?」


「良いですよ、七海会長」


「君から婚約を破棄したと言う噂があるんだが、もしそうなら何故なのかなと思ってね。

親同士が決めた婚約だし、特に君の家系では中々難しかったのでは無かったかい?」


学年首席の秋山七海ははっきりと言うタイプな様である。


「親同士が勝手に決めて好きに成りなさい、なんてのが嫌だったのですよ」


「駆流君は自由恋愛に憧れてるんですね」


会計の中川敦子(なかがわあつこ)が会話に参加する。


「もしかして婚約者より好きな娘でも出来てでは無いだろうね?」


「七海会長、そんな事なんてありませんって・・・・はははは」


駆流は嘘を付いた。


「駆流君はイケメンで成績も優秀ですし、生徒会の皆で恋人に立候補しますか?」


「石川副会長もからかわないで下さいよ」


「私は立候補しても良いかなと思ってるぞ」


「七海会長もよして下さいよ」


最近では面白く無い事ばかり続いてた駆流の心が満たされて行く


「駆流君は同学年の娘達から結構狙われてそうですよね」


「狙われてるって物騒ですね」


そこで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ったのである。


「それでは皆放課後に」


翔琉が軽い足取りで教室へ入って行くと、真達が机を元に戻してる所であった。


「駆流悪いね、直ぐに机戻すから」


「ああ、気にしないで良いよ」


僕は駆流の声に張りが有るのを感じた、何か良い事でも有ったのだろうか?

彼女が出来たとかだったら嬉しいんだけどな


さてと午後の授業も頑張りますか、と思っていたのだが駆流が妙な事を言いだしたのである。
















































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