第12話 詩音とのLINE

もし翔琉と詩音が破局したら、僕にもとばっちりが来るかも知れない。

しかし、駆流の熱が冷めてるならダラダラと付き合って行くのも、詩音には酷だろうと思える。

僕は席から晴れた空を見つめながら、何か良い方法が無いか考え込んでいた。



何も思いつかない・・・・

人に相談出来る様な事でも無いし、まずは詩音の気持ちをしっかりと聞いて見るのが良さそうかな。

アドレス交換してるし、夜にでもLINEしてみよう。


「真、悪かったな」


不意に駆流が話し掛けてきた。


「何が?」


「色々考えて貰ってさ、俺決めたよ詩音との婚約は破棄する。

そして真に気に入られる様な男に成るよ、高校を卒業するまでにはきっと惚れさせて見せる」


「そう」


突然過ぎて大した言葉が出て来なかった、一番最悪な結果へと転がり始めようとしているでは無いか。

大体本人を目の前に言う事なのか?

恋愛経験の無い僕にはちょっと怖く感じた。


「私の気持ちが変わるとは思えないんだけど、将来は自由気ままに暮らしたいのよね」


「それなら丁度良いじゃないか、家事炊事は何もしなくて良いし、旅行なども好きなだけ行き放題だよ」


「うぐぐ・・・・」


かなり魅力的だ、僕が兄弟で無く女だったら攻略されてたかも知れない。

流石財閥の長男なだけはあるではないか


「とにかく詩音の事を先に何とかして上げて、泣かす様な振り方したら許さないからね、私の大切な友達なんだからさ」


「分かってるよ」


泣かさない様になんて無理だろうな、人間関係って難しい。



その日の夜、迷ったが詩音へLINEを送った。


『突然こんばんは、今少し大丈夫かな?』


『何か用ですの?』


『この前話してた駆流君の事なんだけどね、最近上手く行ってるのかと思って』


『上手く行ってるかは分からないけど、私は駆流さんを信じるしかないと思ってるわ』


詩音は健気だな。


『前に駆流君が私の話を良くすると言ってたけど、私は彼に興味無い事を改めて伝えとくから信じてね』


『分かったわ』


『それじゃ』


『おやすみなさい』


後は駆流がどうするか何だけど、直球で地雷を踏んでしまいそうで心配だ。

今は修羅場だけは嫌だと願うしか無い。


取り敢えず明日は土曜日で学校も休みだし、ストレスが溜まってる分タップリ寝るとしよう。



朝8時にカーテンが開けられ眩しい日差しが差し込んで来た。


「うーん、眩しいよ」


「もう朝だよ」


「香澄、今日はゆっくり寝ようと決めてたんだよ」


僕は布団を深く被り再び眠りについた。


「全くしょうがないな、後1時間だけだからね」


「ZZZ」


ゴソゴソゴソ


「これで良し」



約1時間後、目覚まし時計が鳴り響いた。


「目覚ましかけたの香澄か?」


僕は手を伸ばそうとしたが動かす事が出来ないでいた。

香澄が布団に潜り込み抱き着いて寝ているのだ、隙を見せるとたまに有る事なんだがそのたびに思う、無防備にも程が有るだろうと


「香澄、香澄起きてくれ、目覚ましが煩くて近所迷惑だ」


「ああ、すっかり熟睡しちゃったわ」


「少し無防備過ぎないか、僕だって一応男なんだぞ」


「信用してるから大丈夫よ、そうでしょ?」


「まぁね」


香澄は思っていた無防備なのは真の方よと・・・・



















































































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