第11話 華と駆流の相談

朝の通学中なのだが香澄は何時もと様子が変わらない。

昨日の事は既に気にして無いのだろうか。


「真は部活やらないの?」


「唐突だな、女装がバレても困るし入らないかな」


「そうだったわね」


「おーい、2人共おはよう」


元気よく華が走り寄ってくる。


「おはよう」


「おはよう華、今日も元気だね」


「元気元気、真は今日も大きいね」


華は遠慮なく僕の胸を揉もうとして来る娘だ。


「ちょっと、他の生徒も沢山いるんだから止めてよ」


「ほほう、皆羨ましそうに見てますな」


「華、朝っぱらから親父臭が漂ってるわよ」


「はいはい、今日の香澄はノリが悪いですね」


とてもスキンシップが激しい娘である。

本人も僕と同じで男子より女子が良いと言ってたよな・・・・まさか!

華も男子で女装なのか?

ってそれは無いか。


「2人共今度の日曜日は暇?」


「私は暇だよ」


「私も暇に出来るけど何をするかによるかな」


「嫌だな、真は何か警戒してない?」


「華の事だから何をさせられるか不安があるんだよ」


会話を聞いていた香澄が隣でクスクスと笑う。


「華は真の天敵ね」


「違うわ、私は真のナイトなのよ」


「それで日曜日の話はどうなったの?」


僕は脱線した話を元に戻した。


「そうそう、もうすぐ中間試験だから集まって勉強会しようよ」


「それは良いかも」


香澄は賛成した


「私は別に大丈夫かな」


僕は遠慮しといた


「ダメダメ、真が来ないと教師がいないじゃない」


僕が教えるのか、これも友達の頼みと思えば仕方の無い事なのか?


「分かりましたよ」


「やった! 日曜日私の家に来てね」


正門を潜り昇降口で下駄箱を開けると何通かの封筒が落ちてくる。

これが何を意味してるのかは想像がつく、決して良い物では無く面倒な物に決まっている。

僕は溜息を付きながら封筒を拾うと鞄へとしまい込んだ。

多分クラス外の生徒だろう、最悪無かった事にしてしまおう。


「真はモテるのね」


「香澄見てたのか、嬉しくない事は良く分かってるでしょ」


「以外と可愛い女子からかもよ?」


「それなら嬉しいかもな・・・・はははは」


まずあり得ないだろうと言うか、今は恋愛の勉強から始めないと行けない状態なのである



「おはよう駆流」


僕は自分の席に着いた


「おはよう・・・・あのさ、昨日の話なんだが詩音と分かれたら・・・・」


「付き合わないと思うわよ、大体大財閥の親が決めた事なんじゃないの?

それを勝手に解消するなんて大問題になりそう、巻き込まれたく無いわ」


僕は駆流の言葉を遮って言いたい事を言った。


「そうなんだけど」


どうやら納得出来て無い様である。


「詩音は良い娘だと思うし、貴方の事を本当に想ってるわよ」


「人から見て良いのと本人が良いと感じるのは別な事と感じるんだ」


確かに駆流の言いたい事も正しいとは思う。


「無くしてから後悔する様な事は無いようにね」


自分の意志も駆流の立場も詩音の思いも伝えたし、とりあえずは大丈夫だろう?

きっと・・・・























































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