第6話 バストマッサージ

「早く私の後ろに座りなさいよ」


僕は溜息をつきながら香澄の後ろに座り込んだ。


「一体何をすれば良いのかな」


「まずは脇の下から胸の方へお願い、もし胸に触ったら殴るからね」


見るのは良くても触るのはダメなのか


言われるがまま3分位続けると次の注文が言い渡された。


「今度は鎖骨の辺りから胸の方へお願い」


「はいはい」


見た目よりきゃしゃで柔らかいんだな。


「同級生の体を触るのってドキドキする?」


「そりゃドキドキするさ」


「そっか」


香澄が嬉しそうに答えた。


「ありがとう、もう良いわ」


「こんなんで本当に大きく成るのか?」


彼女は僕の質問をスルーした。


「ねえ、私達って幼馴染よね」


「うん」


「これがもし恋人同士だったら違う感じに成ってたのかな?」


「うーん、胸を揉んでたんじゃないかな」


「真面目に聞いてるんだけど」


香澄が少し剥れた表情を見せる。


「冗談だよ冗談、付き合いが長すぎて香澄とリア充って考えられないな」


「所で胸触りたいの? 触らせてあげようか」


恥ずかしそうに服を捲り上げ始めたのを僕は慌てて止めた。


「ダメだよ、そんな簡単に自分の価値が落ちるよ」


「そう、そうよね」


香澄って意外と天然だよな。


「今日はもう帰るわ、ありがとうね」


おもむろに立ち上がると早足で部屋を出て行ってしまったのである。


部屋にはポツンと持ち主に忘れられたブラジャーが転がっている。


どうしたものか、勝手に触るのも良くないだろうし、腕を組みマジマジと見ながら考えていると、ある事に気がついた。

サイズ的にBと言った所だろうか、僕の物より2ランクもしたなのか、更にパットが2枚入ってるではないか、女子も色々と大変なんだなと染み染みと感じた瞬間であった。


勢い良く階段を駆け上がって来る音がすると、僕は漫画を手にベッドへ寝転んだ。

派手な音を立てて扉が開くと、香澄がブラジャーの所まで走り服の中に隠した様だ。


「いきなりどうしたの?」


「見た?」


「何を?」


「何か見た?」


「何も見てないよ」


「それなら良いわ、また明日ね」


「また明日」


全く抜けてるにも程が有ると言うもんだ。



その日、夕食の席では初江さんが何時もより機嫌が良く感じる。


「香澄さんのマッサージはどうでしたか?」


「良く分からない事を色々させられたよ」


「それはお疲れ様でした」


「実際問題、あんな事で大きく成るものなの?」


「どうでしょうね、しかし本人はもっと過激な事も考えてたみたいですよ」


「過激な事って?」


「直接胸部を・・・・流石にそれは宜しく無いのでお止めしましたけどね」


「それならマッサージ自体を止めて欲しかったな」


「ふふふ・・・・多少は経験の為にもよろしいかと思います」


大人の女性には叶わないと言うか、初江さんだからなのだろうか考え方が刺激的すぎる。


「ご主人様には内密にしときますね」


当然だ、父に知られてややこしく成っても困り物だからな。




























































































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