キャラクターメイキング2
次は残りのポイントで究極至高の美少女の美少女ぶりを損なう物への対策をしよう。
たとえば病気や毒の類には、皮膚を変色させたり発疹ができたり爛れたり、美少女の美少女ぶりを損なうものが多くある。
意識に浮かんだが、病気や毒、肉体の代謝の悪影響に対する完全耐性が60ポイントで買えるようなので買う。
どんな美少女もあっという間におばさんになりおばあちゃんになる…、年を取らない特性を30ポイントで買う。
安い。
不老になり寿命を無くすのがこんなに安いとは。
なんとお買い得であろうか。
あとは…、飯を喰わなければ美少女も痩せて手足は骸骨のように細くなり頬はこけ、せっかくの美貌が陰るだろう。
20ポイントで飲食を不要にする。
そうだ、美少女も溺れ死ねば土左衛門。
身体は変色し無様に膨れ上がる。
40ポイントで呼吸を不要にしておく。
街なかで硫酸をかけられて顔が焼けただれるかも知れない。
30ポイントで体表が気密となり強酸とか強アルカリとかも平気となるようだ、買う。
後は…、神話で神の呪いとかで美女が醜く変身させられたとか動物に変身させられたとかいう話もある。
究極至高の美少女ぶりを損なうあらゆる変形を防ぐため、変形変質等に対する完全耐性があったので、20ポイントで買う。
3次元空間に美少女は存在する。
2次元に美少女は存在する。
だが、線分のみの1次元や点である0次元空間で美少女は美少女でありつづけることはできるのだろうか。
たぶん無理。
四次元空間で美少女は美少女であり続けることができるのだろうか?
無限次元空間での美少女とは如何なる物なのか。
時空と次元に対する完全耐性があった。
200ポイントで買う。
これで俺の作る究極至高美少女キャラクターは0次元空間においても美少女だ、たぶん。
なにしろ美少女を損なうもの全て平気なんて便利特性はないようなので、美少女が美少女であることが損なわれる理由を一つ一つ潰していく。
他には低温で顔が真っ青になったり鼻水がでたりするのも美少女に相応しくない。
低温への完全耐性は60ポイント、買っておこう。
高温への完全耐性は買えないようだ。
美少女の顔が火傷したりすることがなくていいと思ったのだが。
低温には絶対零度という下限があるが高温に上限はないわけで、高温への完全耐性が買えないのはそのせいかも知れない。
高圧を受けて口や肛門から内蔵がはみ出るというのも美少女ぶりが損なわれる。
高圧に対する完全耐性を30ポイントで買う。
減圧で身体が膨れるとか目が飛び出るとかもいただけない。
真空に対する耐性は10ポイントのようだが安いし買う。
あと美少女が美少女であることが失われるというのに精神交換というのを思いつく。
精神とか魂とかを入れ替えられて美少女が美少女であることを失いおっさんとかと体を入れ替えられたりするのだ。
これは許せない。
精神や魂に対する作用の完全耐性を100ポイントで買っておく。
ついでに念の為に今まで買った美しさや特徴は全て精神と魂とか本質とかに付随するものと設定することを念じる。
最悪、おっさんと入れ替わったら美少女の魂が魂に付随する特徴でおっさんボディを美少女に変化させるのだ。
生まれ変わっても美少女だ。
念じたが変わったかどうかよくわからん。
他は、究極で至高の美少女の体は完璧なものであって欲しい。
しかし体が傷ついて四肢欠損したり、やけどしたりという原因となるものに対する絶対無敵は買えないようだ。
だが再生能力はあるようだ。
手足を失っても傷が癒えれば生えてくるし傷跡も火傷痕も癒えれば消える。
80ポイントなので買う。
欠損が癒えるスピードも念の為アップしておこう。
最高速までアップすると死んでなければ1秒ほどであっという間に傷が完全に癒えるようだ。
さすがに高い、300ポイントもするが買う。
究極で至高の美少女が日焼け止めなんてベタベタ塗るのもいただけない。
被爆に対する完全耐性があるから買う。
これで日焼けも被爆もしなくなる。
100ポイント。
あと仏教絵画に九相図と言うものがある。
俺が見たことのあるものは美女として知られた小野小町の死体が打ち捨てられ、腐敗し膨れ上がり変色し腐れ果て、虫がわくありさまだった。
まぁ、最後の方はきれいに骨となり灰となるんだが。
究極で至高の美少女も腐乱してしまえば美少女が損なわれる。
殺されても死体が消え実体のない本質的ななにかが安全な場所まで移動したら復活が始まるという特性がある。
300ポイントだが買う。
やはり死に対する高い耐性とも言えるものは値段がお高い。
他は、究極で至高の美少女も肥溜めに落ちればうんこまみれだ。
興ざめだ。
汚れないし頭から糞尿をかぶせられてもみるみるきれいになるし排泄もせず痰も吐いたりしない常に完全に清潔であることが60ポイントで買えるようなのでもちろん買っておく。
現実を直接改変するような何かで美少女が美少女でなくされるかもしれない。
現実改変に対する完全耐性を200ポイントで買う。
もう思いつかん。
ここまでで美少女を損なうものに対する様々な耐性を買うのに計1620ポイントを使った。
美少女の美少女ぶりを買うのに使ったポイントとあわせて36690ポイント。
残りポイントは『$%&!』…、わからん。
そこで俺は気付いた。
俺が買っていない特徴がすでに買われており、ポイントが消費されている。
その特徴は2つあり、ひとつは…言葉にすると『特別な存在である』といったニュアンスか。
これに300ポイントが消費されている。
これは取り消せない、このキャラクターメイキングのルールで必ず買わなければならないものであることを感覚が告げている。
まぁ、究極で至高の美少女は特別であるので問題はない。
もう一つは万能翻訳能力とも言うべきものだ。
これは買わないことにして他のことにポイントを使うこともできるようだが、考えてみれば、究極で至高の美少女が持つのに相応しい能力に思えるのでそのままにする。
これには200ポイントが消費されていた。
元からある特徴は計500ポイントなので今のところのポイント総計は37190だ。
究極で至高の美少女に必要な主だったものは概ね買った。
だが残りポイントは、相変わらず意識というか感覚に浮かぶ表示はバグっているがまだ0でもマイナスでもないようだ。
何かいくつか究極で至高の美少女を彩るに相応しいものを買っておこう。
究極で至高の美少女には人格的な高潔さも良いし逆に残虐だったりしても良いが、人格的特徴と言えるものは買えないようだった。
能力と言えるものでなければならないのだろうか。
ならば美少女の人格的要素として天才的知性というのは似つかわしいかも知れない。
そう思ったが天才的頭脳とか芸術や学術にたいする才能の類はこれもまた買えないようだ。
何かないかと念じてみると、かろうじて『記憶力』と『演算能力』がある。
どうやら記憶力は美少女が今までに見聞きしたものを思い出したいと思ったことをどんな細部までも完全完璧に思い出せるというくらいの物らしい。
これは20ポイントだ。
感覚からすると教科書を丸暗記するのが簡単にできる特技であって、教科書を理解する能力ではない。
スマホでなんでも写真と録音ができる今では、昔より相対的価値が少なくなっているだろうが美少女が学校で良い成績を取りやすくなるかも知れないので買う。
そこまで高いものでもないし。
美少女が記憶術をちょっとした特技にしていてもイメージは崩れないしな。
演算能力はあらゆる計算が脳内で一瞬で行えるというもののようだ。
理解できる数式なら、どんな高度な数式の計算でも一瞬らしい。
数学の才能ではなく数学の論文を書くのに役立ったりはしないようだ。
学会に発表されるような数学の証明にはコンピューターを用いたものもあると聞くが、今の世の中は誰もがコンピューターを用いることができるのでアドバンテージにもならない。
俺は数学の素養はないが、証明の為に今の地球上のいかなるコンピューターを用いても計算能力が足りないというような問題でもあれば別かもしれない。
いずれにせよ俺の作っている美少女が数学者になるのには役立たないようだ。
とはいえ算盤の達人は一瞬で多くの数を暗算できる。
これを買っておけば同じ芸が使えるだろう。
10ポイントで買う。
他は究極で至高の後光が差していると錯覚するほどの美少女が、本当に光を帯びているというのはどうだろうか。
あまりにも美少女過ぎて、ちょっとした超常現象が起きているのだ。
この特性を2ポイントで買う。
究極で至高の美少女は、おそらく暗闇の中でほのかな光を帯びるだろう。
美少女が苦痛に顔を歪めて絶叫するのは似合わない。
苦痛に強くなるのを20ポイントで買っておこう。
虫も殺せぬような美少女は本当に虫を殺さないでいられるというのはどうだろう。
美少女は望めば中国の伝説の神獣、麒麟のように地面を踏んでも虫を潰さずに草をわずかに損なうこともなくいることができるのだ。
これを20ポイントで買う。
また、美少女が美少女過ぎて起きそうな超常現象に、真空や水中でも声が響いたりして美少女の美声は変わらず魅力的だというのはどうか。
言葉にすれば『いかなる状況でもコミュニケーションに問題がない』というのが買えるようなので200ポイント払って買う。
さすがにもう思いつかないな。
美少女に必要なもの、美少女を彩るもので買えるものは全部買った。
ここまでで合計37462ポイントを使った。
ポイントは少なくともまだあるようだが、残されたポイントは使わないと駄目なのだろうか?
疑問が意識に浮かぶと答えが感覚的にわかる。
残ったポイントは全てキャラクターの魂の形とも言うべきものを反映した異能となるようだ。
異能も買えるのか。
ただの美少女なら適当な異能でいいし、日本という創作作品に恵まれた国に生まれ育った俺にもいろいろ思いつくが、究極で至高の美少女に相応しい異能なんて思いつかないし、いくら究極で至高の美少女は盛れば盛るほど良いとはいえ異能;唯一絶対神教的全知全能というものはさすがに買えないようだ。
買えても、きっとポイントが足りないとかになりそうだ。
選べる異能とか感覚に問うと、星の数ほどと錯覚するほどの物があるようで、俺は感覚に浮かぶ物から美少女の異能を選択をするのは諦めた
ただ、このおまかせの異能はオプションがあるようだ。
異能がどのようなものか本人にもわからず使い方もわからないので使えず、何らかのキッカケで潜在能力が覚醒して初めて使えるようになるというものだ。
おまかせ異能はポイントを費やせば費やすほど強力なものとなるらしい。
このオプションを選ぶと同じ異能でも必要なポイントが割引となるので、結果として普通に買うよりおまかせ異能が強力になるという寸法だ。
強大な異能はイメージを崩さなければ究極で至高の美少女によく似合うし、強いなら強いほど良いのでオプションを取ることにした。
感覚によるとおまかせ異能は暴走させることによりさらに強力になったりすることもあるらしい。
俺は残りポイントは全ておまかせ異能に費やすことにしてキャラクターメイキングを終えることにした。
キャラクターメイキング完了を念ずると、どうやらもうキャラクターメイキングには戻れないということがわかる。
俺は夢の中だと言うのに睡魔と思しき感覚を覚え、そして意識を失った。
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