TS美少女は超多元宇宙の回廊都市で美貌で世を渡る
うどん魔人
プロローグ
キャラクターメイキング1
俺が目覚めると、目が覚めても夢の中だった。
なぜ夢だとわかるかというと、眠りに落ちる前にいたはずの俺の部屋ではなく、白い空間にいたからだ。
上も下もないどこまでも白い空間。
明らかに現実ではないだろう。
ならばこれは、いわゆる明晰夢というやつなのだろう。
意識はまぁ、はっきりしている…、と思う。
俺の名は『時夢未来』
職業、母校に就職した私大職員。
年代中年。性別男性。
うん、間違いないな。
夢の中だと独自の設定があって何故かそれに従っていることもあるが、この夢はたぶんそんなこともないようだ。
世の中には明晰夢を意図的に見ることができ、夢の内容を自由に操作し望みの夢を見ることができるという人がいると聞くし、なんならそうなるための訓練法を紹介した書籍も日本では出版されているそうである。
だが俺にはそんな特技はないようだ。
とりあえず夢の内容を操作できるなら、何もない白い空間はまあ、なんだ。
地面が出てくるようイメージしてみるが何も変わらなかった。
目が覚めるまでぼけっと待つのだろうか。
何か目が覚めるまで夢の中でできることはないか…。
と思うと、奇妙な感覚だが俺の意識に何が浮かび上がる。
それは言葉にすろと「キャラクターメイキング」といったニュアンスの情報だ。
よくわからないが目が覚めるまでの間、そのキャラクターメイキングをしてすごすことにした。
どんなキャラクターを作れるのか。
疑問を持つとキャラクターメイキングのルールが感覚としてわかる。
ポイントを割り振り有利な特性を買うのだ。
ポイント総計は『■!?-☆』のようだ…って感覚がバグってる。
自分のキャラクターとか自分の勢力を動かすゲームなら割とよくある仕組みだな、と思う。
俺は思い出したくない過去の経験のトラウマから美少女にこだわるようになった。
だからせっかくなので美少女のキャラクターを作ろう、究極の美少女、至高の美少女を。
外見設定…、そういえば『不思議の国のアリス』のアリスは7歳という設定だったし、『白雪姫』の白雪姫が世界で一番美しい女性になったのも7歳の時という設定だった。
きっと7は美少女の年齢のマジックナンバーだ。
誰もが知っている美少女の原型とも言える著名なキャラクターに合わせ、俺のメイキングする美少女も外見を7歳にしよう。
肌は白雪姫のような白で、アリスのイメージから金髪碧眼のキャラクターということにする。
ここまでポイントは消費していない。
ポイントを払えば美しさが買えるようだ。
もちろん買う。
美しさはちょっと魅力的くらいから人間最高、意識に浮かぶイメージによれば、女神や天使といった存在のみに許されるらしい究極レベルまである。
さらにポイントを割増することで得られる増強オプションが有るようで審美基準が異なる相手にも何故か美しく感じる超常特性。
良い、俺と異なる審美基準の文化においても俺の作る美少女は美少女だ。
増強付きで究極の美貌を買うとポイント消費は45ポイントだ。
ちょっと魅力的くらいを増強付きで買うと12ポイントほどとなる。
しかし理想の美少女キャラクターの美少女ぶりは盛れば盛るほどよいというのが俺の信念。
もっと美貌を買うのに消費ポイントを盛れないか必死に念じてみる。
ぼこり。
消費ポイントが増えた感覚がある。9000ポイント分だ。
もちろん増強付きだ。
増強付き究極のさらに200倍。
ここまで盛ればどこに出しても恥ずかしくない究極至高の美少女だろう。
2位以下を圧倒的にぶっちぎりで引き離す並び立つ者なき美少女界の孤高の頂点だ。
自分の一念を自分で褒めて次に究極至高の美少女の美少女ぶりが買えないか感覚に問う。
すると声の美しさが買えるようだ。
人間で美声と言えるレベルが基準が異なる相手にも通じる増強付きで23ポイント。
最低でも魔性と言えるレベルが欲しいので盛れるだけ盛れるよう必死に念じる。
消費ポイントが増え4500ポイント分の増強付き美声となった。
どれだけの美声ぶりかよくわからないが、人気声優や歌手がしばしば備えている美声という個性が23ポイントとするとその約200倍であるからきっとすごいんだろう。
究極至高の美少女は努力すればきっと声優や歌手としても大成できるものなのだ。
あと臭い美少女は興ざめだ。
美少女は全身のあらゆるところから良い匂いがしなければならない。
基準が異なる相手にも通じる増強付きで味覚と嗅覚という化学受容器に訴えかける感覚に訴求する芳香と美味というべき特性が23ポイントで買えるようだ。
増強があれば美少女はきっと犬猫にも好かれるだろう。
これも盛れるだけ盛れるよう念じ増強付きを4500ポイントを消費し買う。
美少女は肌とかもすべすべで魅力的であろう。
これもデフォルトになってきた基準が違う相手でも通じる増強付きでお値段23ポイント。
なにしろ俺の交友関係の範囲内でも毛玉猫を撫でてにこにこするやつとかトカゲを撫でてにこにこするやつとかアイドルの握手会に参加した後、俺にアイドルの手の手触りを嬉々として語ったやつとか色々いるのである。
これもデフォルトになってきた4500ポイントまで盛って買う。
あとカリスマというべき特性があるようだ。
なんだか言葉にしがたい、なんならオーラとか言い換えても構わない不思議な魅力だ。
段階があるらしく400レベルにして念の為デフォルトの増強をつけて何かおなじみになってきた4500ポイントで買う。
レベル400のカリスマってなんだろう。
基準がわからないし高貴な雰囲気でも漂わせているんだろうか。
究極至高の美少女にはふさわしい…、誰が見ても高貴な存在と感じられるとか。
他には恐怖というべき特性が買えるようだ。
あまりの美しさに精神をかき乱すとかいろいろ理由を決めれるらしい。
美しさによるものでも能力としてなぜかオンオフができるが常にオンのままに限定するとポイントが節約できる。
究極至高の美少女として、普段は自分のあまりにも凄まじい美少女ぶりが狂気を誘わないよう抑えているが、いざとなったら抑えを外し敵を恐怖に突き落とすというのは悪くない。
これも限定は無しで買う。
レベルがあるらしくカリスマと同じ400レベルまで買うとお値段8060ポイント。
外見の良さに9000ポイント費やしたから同じくらいで丁度いいだろう。
他に意識に浮かぶものとして可愛らしさで同情を誘いやすくなるというのが10ポイントで買えるようだ。
安いし究極至高の美少女に相応しいのでこれも買う。
ここまでで計35070ポイントを消費。
これ以上美少女ぶりを盛るネタを思いつかないが、残りポイントは『$&_?』。
何かバグってるのでよくわからないが0やマイナスでは無いようだ。
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