第35話 闇の陰謀の暴露

闇の教団の基地の中枢部で、ゼノ・オスカーとそのクルーたちは、ついに大司祭ノクターンと対峙していた。基地内部は薄暗く、重苦しい静寂が漂っている。その中でノクターンは冷たい笑みを浮かべ、静かにゼノたちを見つめていた。


「お前たちは愚かだ、ゼノ・オスカー。」ノクターンが静かに口を開いた。「この戦いの本質を何も理解していない。」


ゼノはその言葉に眉をひそめ、問い返した。「何を企んでいる、ノクターン?エターナル・スピアの力を手に入れて、銀河を支配するつもりか?」


ノクターンはその問いに対して不敵な笑みを浮かべた。「支配など、単なる手段に過ぎない。私が求めているのは、銀河の真の統一と永遠の秩序だ。そして、そのために私はエテルニス帝国と手を組んだ。」


「エテルニス帝国だと…?」ゼノは驚きと同時に疑念が膨らんだ。「お前たちが帝国と手を組んでいるというのか?その目的は何だ?」


ノクターンは静かに頷きながら語り続けた。「そうだ、エテルニス帝国は私の計画に必要不可欠な存在だ。彼らの軍事力と支配力を利用し、銀河全体を一つの秩序の下に統一する。それこそが、エターナル・スピアの真の力を発揮するための鍵なのだ。」


リラ・ナイトシェイドが驚愕の表情で言葉を続けた。「つまり、帝国の背後で糸を引いていたのは、あなたたち…闇の教団だったのね。」


「その通りだ。」ノクターンは淡々と応えた。「エテルニス帝国は、我々の意志を実行するための道具に過ぎない。彼らの支配力を利用して、銀河全体を統一し、その後に真の秩序を築く。エターナル・スピアはそのための究極の武器なのだ。」


「だが、その結果は破壊と混沌しか生まない。」ゼノは冷静にノクターンを見据えた。「銀河全体を恐怖と圧政で支配するつもりなのか?」


「恐怖と圧政ではない、秩序だ。」ノクターンの声は冷たく響いた。「混沌を防ぐためには、絶対的な力が必要だ。それがエターナル・スピアの本当の役割だと気づいた時、私たちは真の支配者となる。」


ゼノはノクターンの言葉に対して、強い決意を抱いた。「だが、そんな未来は許さない。銀河は自由であるべきだ。お前たちの計画は、ここで終わらせる。」


「それは貴様たちの考えだ。だが、それが正しいとは限らない。」ノクターンは冷笑を浮かべ、手をかざした。その瞬間、周囲の空間が揺らぎ始め、基地全体に強大な力が解放される兆しが現れた。


「奴がスピアの力を解放しようとしている!」リラが即座に警告を発した。「今すぐ阻止しなければ、基地ごと吹き飛ばされるかもしれない!」


「全員、攻撃を集中しろ!」ゼノはクルーたちに指示を出し、ノクターンに向かって突進した。「ここで奴を止めるんだ!」


クルーたちはゼノの指示に従い、全力でノクターンに攻撃を仕掛けた。しかし、ノクターンはスピアの力を利用して巧みに防御し、反撃を仕掛けてきた。


「無駄だ、ゼノ・オスカー。」ノクターンが嘲笑する。「エテルニス帝国の力と、私の知識がある限り、貴様たちに勝機はない。」


「そんなことはさせない!」ゼノは強い意志を持って応戦し続けた。「我々がこの銀河の未来を守る!」


激しい戦いの中、クルーたちは一瞬の隙を突いてノクターンの防御を突破し、その力を削り取ることに成功した。ノクターンは苦悶の表情を浮かべ、スピアの力が徐々に弱まっていった。


「まだだ…まだ終わっていない!」ノクターンは最後の力を振り絞り、全てのエネルギーをスピアに注ぎ込もうとしたが、その時、ゼノが決定的な一撃を放った。


「これで終わりだ、ノクターン!」ゼノが叫びながら攻撃を繰り出し、ノクターンの力を完全に封じ込めた。


ノクターンは倒れ込み、最後に冷たい笑みを浮かべながら消滅していった。「貴様たちの勝利は、束の間のものだ…エテルニス帝国が次に動く…」


その言葉を最後に、ノクターンの姿は完全に消え去った。基地内部は静寂に包まれ、スピアの力も消滅していった。


「終わったのか…?」ケイドが息を切らしながら尋ねる。


「いや、まだだ。」ゼノは慎重に答えた。「エテルニス帝国が背後にいる限り、戦いは続く。だが、ノクターンを倒したことで、彼らの計画は大きく狂ったはずだ。」


「次はエテルニス帝国との対決か…」リラが遠くを見つめながら言った。「その前に、この基地を完全に破壊して、闇の教団の残党を一掃しましょう。」


ゼノはクルーたちに指示を出し、基地の破壊作業を開始した。彼らは闇の教団が残した全ての遺産を破壊し、エターナル・スピアの力を封じ込めることを決意した。


「次は、エテルニス帝国との戦いだ。」ゼノは静かに決意を新たにし、銀河全体の未来を賭けた最終決戦に備える準備を始めた。

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