第34話 闇の基地への突入

エニグマ号のクルーは、惑星「ヴァルガルド」の地下に隠された闇の教団の基地を目指して進んでいた。洞窟の奥深く、重苦しい空気が漂う中、彼らは慎重に歩を進めた。リラ・ナイトシェイドが先頭に立ち、センサーで基地の位置を確認しながら進む。


「基地のエネルギー反応が近い…だが、何かがおかしい。」リラが立ち止まり、センサーの異常を確認する。「敵の防御システムがかなり高度に設定されているようです。まるで、こちらの動きを予測しているかのように。」


「奴らが我々を待ち伏せしている可能性が高いな。」ゼノ・オスカーがクルーに警告する。「全員、注意を怠るな。ここからが本当の戦いだ。」


クルーたちは戦闘態勢を整え、武器を手にして進む。洞窟の壁には、闇の教団が設置したと思われる監視カメラやセンサーが設置されており、彼らの一挙手一投足を監視しているようだった。


「この先に基地の入口があるはずだ。」リラが手元のデータを確認し、ゼノに伝える。「入口は厚い防護壁で守られており、通常の手段では突破は困難です。」


「爆破による強行突破が必要だな。」ケイド・ローガンが準備していた爆薬を取り出し、壁にセットし始めた。「全員、準備を整えて。これで入口を吹き飛ばす。」


ゼノはクルーたちに指示を出し、爆破の準備が整うのを待った。重い沈黙が流れる中、ケイドがスイッチを押し、爆薬が大きな轟音と共に爆発した。基地の入口は煙と共に崩れ、通路が開かれた。


「突入開始!」ゼノが叫び、クルーたちは一斉に基地内へと突入した。


基地内部は闇の教団が作り上げた巨大な地下施設であり、厳重なセキュリティシステムが配置されていた。警報が鳴り響き、基地内の守備隊が急速に集結し始めた。


「敵が集まってくる!」リラが即座にセンサーで確認し、警告を発した。「私たちの動きを完全に把握しているわ!」


「それなら、やつらに奇襲をかけてやろう。」ゼノが冷静に指示を出す。「ケイド、ナヴィ、前方の敵を引きつけてくれ。その隙にリラと私で敵の防衛システムをハッキングする。」


ケイドとナヴィは即座に応戦し、敵兵に向かって猛攻を仕掛けた。リラは素早くコンソールに接続し、敵のシステムに侵入を試みた。


「敵のシステムに侵入中…もう少しで制御を奪えます!」リラは集中力を高め、急ピッチでハッキングを進めた。


その間、ゼノは前方で戦うクルーたちを援護しながら、次の手を考えていた。敵の守備隊は予想以上に手強く、彼らの攻撃を次々と防いでいた。


「システム制御完了!」リラがついに成功を告げた。「これで敵の防衛システムが無力化されます!」


ゼノはその報告にすぐに反応し、クルーたちに指示を出した。「防衛システムがダウンした今がチャンスだ。全員、基地の中心部に向けて進め!」


クルーたちは一斉に進撃し、無力化された防衛システムを突破して基地の奥深くへと進んだ。やがて彼らは基地の中枢部にたどり着き、そこには闇の教団のリーダーである大司祭ノクターンの姿が待ち構えていた。


「ようやくここまで来たか、ゼノ・オスカー。」ノクターンが冷たい笑みを浮かべながら言った。「だが、ここで終わりだ。エターナル・スピアの力は、我々のものとなる。」


ゼノは冷静にノクターンを見据え、クルーたちに最終的な戦闘準備を命じた。「全員、覚悟を決めろ。ここでこの戦いを終わらせる!」


最後の決戦が今、始まろうとしていた。闇の教団との壮絶な戦いが、銀河の未来を左右する重要な局面となることを、クルーたちは強く感じていた。


「これは、銀河のための戦いだ。」ゼノは力強く宣言し、ノクターンに向かって突進した。


クルーたちもその後に続き、エターナル・スピアを巡る最終決戦がいよいよ幕を開けた。

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