第15話 魔人戦
(何が起きたんだ!?)
目の前で起きたこと驚きを隠しきれていなかった。
すると、国王と王妃が魔人に話しかける。
「ラ、ライドなの?」
「……」
魔人は大声をあげながら、この場から立ち去り外へと出る。それに続くように俺たちも外に出る。
(あいつは本当にライドなのか?)
俺はアリスたちの方を向くと、全員が呆然としている表情をしていた。
近くにいる騎士が魔人に話しかける。
「ライド様、目を覚ましてください」
「そうです、あなたはこの国の王子です!!」
話しかけてきた騎士たちの近くよる魔人。
「やっぱり、ライド様の意識はあるんだ」
ホッとした表情をした騎士たち。その時、一気に殺気を出した。
「引け!!」
俺が言葉を発した時には、騎士たちの首が飛んでいた。
(あれはやばい)
はっきり言って、俺たちの手に余る存在だ。勝てるわけがない。
「エミ、アリス。隙を見て逃げるんだ」
「「え……」」
「この前戦った魔族かそれ以上の力を持っている。俺たちが太刀打ちできる相手ではない」
「で、でも」
二人は震えながらもあらがう姿勢を見せる。
「バルドさんの言葉を覚えているか? 俺たちは今後上に立つ存在。ここで死んでいいわけではない」
その言葉にバルドさんも頷く。
「あぁ」
「「じゃあ、ダイラルも……」」
「一緒に逃げたいのはやまやまだけど、そうもいかないみたい」
魔人の標的は俺になっていた。
俺はバルドさんの方を向いてアイコンタクトを送ると、上空に霧の魔法を放ち、魔人から視界を奪った。
その時、アリスとエミはほかの人たちに連れていかれる形でこの場を後にした。
目の前には俺と魔人、それに加えて数人の騎士のみがいた。
「ライド、どうしたんだよ」
「……」
「お前はそんな奴に力を借りなくても強いじゃないか」
初めてダンジョンに潜った時、ライドの実力を知った。怠けていたわけではない。きちんと幼少期から鍛錬を積んだ実力だった。
俺と魔人の目があった瞬間、目の前から消え去り、騎士たちの首を切り落としていた。
(何にも見えなかった……)
こんなやつ、勝てるわけがない。
手が震えながらも剣を抜き、魔人に向ける。
「やろうぜ」
(俺は生きることを諦めない)
そういった瞬間、背後から殺気を感じ、反射で剣を向けると、魔人の爪とぶつかる。だが、すぐに二撃目がきて、地面にたたきつけられる。
(痛ってぇ……)
方から血が流れだしているのを確認する。
その時、後方から
それが剣とぶつかり、エンチャントする。
(この前と同じだ……)
手にしている剣で魔人に切りかかり、腹部から血が流れだすのを確認する。
(これなら隙を作れるかもしれない)
勝つことは考えるな。隙を作って逃げることに徹しろ。自身に言い聞かせて、魔人との攻防が始まる。
目で追えない攻撃に対しては、殺気など第六感でカバーする。そして、一瞬でも隙だと判断した時には、ためらいなく攻撃を繰り広げる。
そんな攻防を繰り広げていると、魔人は口元に魔法が集まっていき、俺たちに向かって放ってくる。
(やばい……)
俺は手にしている剣を振りかざすと、火の壁ができ、威力を半減させることが出来た。だが、地面にたたきつけられ口から血が出てくる。
(は、早く立たないと……)
あたり一帯、平地みたいになっており、目に見えるのは死体と魔人のみ。
(ここで終わりなのか?)
そんなの嫌だ。俺はアリスがどんな人と付き合うのかが見たい。アリスやエミがこの戦闘が終わったら言いたいことがあるってことを聞きたい。
こんなところで死ねない。
魔人が俺に向かって魔力を込めた球を放ってこようとした時、俺は
すると、切り裂いた球が後方に行き、衝撃が走る。
それと同時に意識が遠のいていく。
(こんなところで俺は……)
無理にでも目を開けようとしている時、魔人は先ほどの魔法を放ってくる。
(反則だろ……)
そう思った瞬間、目の前で、一人の男性が魔法を切り裂いた。
「よく耐えた」
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