第4話:クリスティアの処遇
セレーナに案内されセレーナの私室に入るクリスティア。セレーナに促され応接用の椅子に腰かけ、セレーナと向かい合う形になる。
「さて、クリスティアさん。ズバリお聞きしますが何故貴方はこちらへ?」
セレーナに尋ねられクリスティアは訳が分からず首を傾げる。
「えっ?なんでも何も……私は追放刑を受けてここに来るようにとしか言われなかったんですが……」
「はぁ!?バカ言ってんじゃないわよ!?あんたみたいな極悪令嬢!聖王国がここに連れて来るように言う訳ないでしょ!?」
クリスティアの言葉を受け、シスターヘレンが立ち上がり叫んでクリスティアを睨む。シスターヘレンに睨まれたクリスティアは「極悪令嬢?」と言って首を傾げる。
「シスターヘレン。落ち着いてください」
セレーナがそう言ってシスターヘレンに着席するように促したので、シスターヘレンは渋々といった感じで椅子に腰かける。
「クリスティアさん。貴女はここに来る前に聖王都の大聖堂教会に寄られましたか?」
「大聖堂教会……?」
クリスティアの反応で質問の答えを察したセレーナは質問の意図を説明し始める。
「本来、罪を犯した人はすべからず聖王国セレスティアの聖王都に行き、そこにある大聖堂教会でその罪に応じて行く教会が決まるというのが世界共通の決まりとなっております。貴女が本当に追放される程の罪を受けたなら大聖堂教会に行かなくてはいけません」
「えぇ!?そうなんですか!?全然知らなかった……」
セレーナの説明を受けて、本当に困ったような表情を浮かべるクリスティア。が、すぐに立ち上がってクリスティアはお辞儀をする。
「知らなかったとは言えすいません。本当に短いですかお世話になりました。失礼しました」
クリスティアはそう言うと部屋を出て行こうとするので、シスターリリーが慌てて止める。
「ちょっ!?クリスティアちゃん!?何処に行くの!?」
「えっ、だって本当ならここじゃなくて大聖堂教会ってとこに行かなきゃいけないんでしょ?だったらまだ明るい内に向かった方がいいかなって」
「いや!?まだ明るいって今の時間じゃ下山する前に夜になっちゃうよ!?それに!山には魔物が沢山ウロウロしているんだよ!?」
「魔物……?あぁ!ご飯の事か!アイツらはただのご飯だし特に問題ないよ!」
なんだかとんでもない事を言ってるクリスティアにポカンとなるも、すぐに首を横に振りクリスティアを止めるシスターリリー。
「クリスティアさん。貴女は大聖堂教会の場所は分かってるのですか?」
「うっ!?それは……分かりません……」
セレーナの言葉を受けシュンとなって動きを止めるクリスティア。
「でしたら、こちらから大聖堂教会に連絡しますので、それまでの間ここにいませんか?」
「えっ?」
「ちょっ!?修道女長!?」
セレーナの言葉にクリスティアは驚き、シスターヘレンは立ち上がって止めようとするが、セレーナは構わずに続ける。
「ただし、働くもの食うべからず。この教会のルールに則りシスターとして働いてもらいますが」
「えっ……あの……本当にいいんですか……?」
「貴女がシスターとして働くのを了承されるのであれば」
セレーナの言葉を受け、クリスティアはしばし思案するも「よろしくお願いします!!」と言って頭を下げた。
「決まりですね。シスターマリーダ。彼女を部屋へ案内してあげてください」
「了解。修道女長」
セレーナの言葉を受け、シスターマリーダはそう軽く返答すると、「ついてきな」とクリスティアの方向いてそう言った後部屋を出る。クリスティアも慌ててシスターマリーダの後を慌てて追って行った。
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