第1章 第10話 いざ、忘れられた都市へ
「すいません、忘れられた都市に行くワープポータルを使いたいんですけど」
「かしこまりました。仮面の冒険者様、いつもこちらのギルドをご利用いただきありがとうございます」
そう言ったギルドの受付嬢は、ワープポータル使用証明書を渡してくれた。
ワープポータルとは、瞬時に移動できるもののことで、例えばこのトロン王国から忘れられた都市までは馬で走って大体3日はかかると言われているが、このワープポータルを使用することで、瞬時に移動することができる大変便利なアイテムである。しかし、そんな便利なアイテムも数が非常に少ない。
俺とトミはそのワープポータルを使用して、忘られた都市がある近くの村まで瞬時に移動する。
その村にあるギルドでも手続きを行う。今度の手続きは、忘れられた都市に入るための手続きである。この手続きをしなければギルドに雇われている凄腕の冒険者に捕まってしまう。
手続きを行った俺とトミは早速忘れられた都市のダンジョンに向かった。このダンジョンは地下型のダンジョンである。ダンジョンの型として主にあるのが塔型のダンジョンであり、地下型のダンジョンというのは珍しい。
ダンジョンの入り口前まで来た俺とトミは階段を降りてダンジョン内に入る。着替えやら手続きやらで時間がかかったが、10時ごろにダンジョンに入ることができた。この時間帯だと軽い探索をするくらいで終わるだろうと俺は思った。
なぜ軽い探索だけで終わるのかというと、忘られた都市の親切設計なのかどうかは知らないが、昼と夜の12時になると強制的にその層の出口までワープさせられる。忘られた都市はかなりというより個人的には最も難しいダンジョンだと思うので、一見親切設計に見える。しかし、この親切設計はいざ真面目に忘られた都市の攻略をしようとすると非常に厄介なのだ。いや、この親切設計自体は特に悪いことではない。ただ、その親切設計におまけでダンジョン内の道が変わってしまうのである。だから、攻略のために地図を書いたとしても12時間後にはその地図はゴミとなってしまう。記載した地図をそのまま利用できたら、この忘られた都市はもっと上の層あるいは攻略できていただろう。忘られた都市が未攻略のダンジョンなのは、このおまけのせいだと言っても過言ではない。
まぁしかし、ダンジョンがリセットされるまで2時間あるのでただ待っているだけというのも勿体無い。ということで忘れられた都市の探索を始めた。
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