第1章 第5話 ギルドとSランク冒険者

食事が終わったので、トミと本日の冒険の打ち合わせを行う。ちなみに、シンは外に出かけ、ルトーは家の掃除をしている。

「さてと、今日の冒険はどうする?」

 そう俺が聞くとトミは顎に手をやり、考えるそぶりを見せた。朝食を食べ終えた後にトミは着替えたのか、外に出られるような服装になっている。

「……そうね。やはり“忘れられた都市“に行って素材を集めるのがいいんじゃないかしら」

 忘れられた都市というのは、Aランク以上の冒険家が行ける難易度の高いダンジョンのことだ。

 冒険家になるためにはその街にあるギルドに行って、冒険家の適性があるかどうかをギルドの人とCランク以上の冒険家に見てもらう。要は、試験のようなものだ。

 その試験に合格すると、Fランクから冒険家をスタートすることができる。

 冒険家としての仕事を順調にこなすことで、ランクを上げることができ、仕事をこなすことであげられる最高ランクがAランクである。

 ただAランクが最高のランクではなく、その上にSランクがある。Sランクになるには少々特殊で、固有の能力を手に入れ証明しなければならない。

 証明する方法は、“始まりの大地”と呼ばれるダンジョンにある。そのダンジョンには証明の間と言われる部屋があり、部屋の扉の横にちょうどカードを置ける隙間がある。その隙間にギルドから渡される透明のカードを設置する。

 ギルドからその透明のカードをもらうには、ギルドに行って「証明の間に行くのでカードをください」といえばもらえる。

 透明のカードを設置したら、扉を開けて部屋に入る。その部屋は何も置かれていなくて、縦幅横幅ともに5mくらいの大きさである。しばらくすると、“ぴっ“という音が聞こえてくるので、その音が聞こえたら部屋を出て、隙間に置いておいた透明のカードを確認する。

 透明のカードのままだと、固有の能力を手に入れていない。固有の能力を手に入れていた場合は、その透明のカードに紋章が刻まれている。ちなみに刻まれる紋章の形は人によって様々である。その紋章がSランクを証明するものである。

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