第1章 第4話 いつもと変わらない朝食

俺が席に着くと全員が手を合わせ、「「「「いただきます」」」」と口にして、朝食に手をつける。朝食に手をつけながら俺は3人の様子を見る。昨日のラジオ放送は3人とも聞いていると思うが特にいつもと変わった様子はなく落ち着いていた。

 執事のシンはいつも通りの耳にかかるくらいの銀髪ヘアで目の色は黒色、左目だけに丸いメガネをつけ、執事服をしっかりと着こなしている。顔には皺がいくつかあるがなぜか彼の魅力を引き立たせている。

 メイドのルトーは金髪のロングヘアで後ろに髪をくくっていて、前髪が邪魔にならないように赤色のヘアピンをつけている。目の色は青色で、こちらも執事のルトーと同様にメイド服をしっかりと着こなしている。

 相棒であるトミは紫色の髪で肩にかかるまでの長さで目の色は赤色、部屋着で1階まで降りてきたのかゆったりとした服装をしている。少しというかかなり寝ぼけているように見える。

 そんな3人のいつもと変わらない様子を見て、俺なんて新居がいつ壊れるのかもしれないと気が気じゃないのにと内心で愚痴を言う。とりあえず、これ以上考えても悪いことしか思いつかないので、特に何も考えずに喋った。

「てかさ、毎回のことなんだけど朝食を食べるのに、わざわざ俺を待たなくていいぞ」

 その俺の言葉に、ルトーはナプキンで口を拭いてから答えた。

「カルク様を待つのは当然のことです。私と執事は本来、主人であるカルク様と一緒に食べることなんてしてはいけないのです。カルク様が“俺より先に起きていて朝食が俺より後なんて落ち着かない“と何度もおっしゃるから、一緒に食べさせてもらっているのです。これ以上は私のメイドとしての矜持が許しません」

 シンの方に顔を向けると目を瞑りながらうんうんと頷いている。それを見た俺は諦めたように呟いた。

「……わかったよ」

 毎回、このメイドにはこうして言い負かされてしまう。やれやれと思い、食事を続けた。 

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