第1章 第1話 カーム大陸の制覇

「アリア帝国わずか1年でカーム大陸を統一する……か」

 俺は新聞の記事の見出しを見て眉を顰め、この1年に起きたアリア帝国があるカーム大陸の出来事について思い出していた。

 アリア帝国が大々的に世界統一をするということを全世界に発信したのは、聖暦2501年の1月15日のことである。

 その発表に対して当然ながらアリア帝国以外の国は反発した。アリア帝国と肩を並べる大国は4つあり、それら全ての国が反発した。しかし、アリア帝国はその反発に対して意に介さずラジオの放送で全世界に対しアルフ王の言葉を流した。

「我らの国に同意しないとどのような末路になるかこれからわかることになるだろう」

 そのラジオ放送の3日後にまたアリア帝国はアルフ王の言葉を流した。

「さて、先日のラジオ放送から3日経ったが、我らアリア帝国はカーム大陸にある中規模の国を1つ蹂躙した。たった1人の神器の使い手によってな」

 そのラジオ放送後、カーム大陸にある中小国家の国々はアリア帝国に恐れて降伏するどころか、アリア帝国のカーム大陸統一を阻むべく結束した。

 だがしかし、アリア帝国は他の4つの大陸に自らの力を見せつけるかのように、神器の使い手である皇子たちの前に次々と中小国家は降伏していった。その力の差にカーム大陸にあるまだ攻め込まれていない他の中小国家は絶望し、最終的にカーム大陸にある全ての中小国家はアリア帝国に降伏したのだった。

 そして、聖暦2502年の1月15日にアリア帝国のアルフ王はラジオ放送で言葉を流した。

「今日をもって、我がアリア帝国があるカーム大陸は完全に支配した。今まで高みの見物をしていたであろう4つの大陸にある国々どもよ。次は貴様らの番だ」

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