仮面の戦士と帝国の皇子

イリン

序章 アリア帝国の会談

「来たるべき時が来たようだな」

 アリア帝国の王であるアルフは豪華な机の上に両肘をつけ、椅子に座っている状態でそう呟いた。

 その豪華な机は縦幅8m、横幅3mといった大きさでその机の周りには8人の皇子や皇女たちが椅子に座ってアルフ王の話を聞いている。

「1500年前に勇者様が魔王を倒してから、勇者様の目標は世界を統一することであった。奇しくも勇者様の時代にその願いは叶わなかったが、我らの時代でその悲願を叶えることにしよう」

 アルフ王は不敵な笑みを浮かべた。

「どのように世界を統一していきましょうか」

 第3皇子であるオチャゴスがアルフ王に質問した。

「ふむ、まずは手始めに我らの帝国があるカーム大陸から統一するとしようか」

 その言葉を聞いた第4皇子以外の者たちは邪悪な笑みを浮かべており、第4皇子は絶望しているような暗い表情を浮かべている。

「これからは帝国の時代になる。帝国に逆らうものは蹂躙する」

「「「「はっ、かしこまりました!」」」」

 これがアリア帝国が世界統一に向けた初めての会議であった。

 聖暦2501年1月1日のことである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る