第3話
取り調べの翌日
8月12日
蒲田駅裏殺人事件を担当していた刑事は福岡県の天神祭に行こうと思い、警察署で仕事が終わったら羽田空港へ直行した。
とった飛行機の時間は『羽田空港22:30発福岡空港行き』の飛行機だ。
しかし…
あろうことか、まさか電車を逃すとは思わなかった。
JRが遅延していたため、京急蒲田駅で予定の電車に乗ることが叶わず22:16発の電車に乗ることになってしまった。
一縷の望みをかけてその電車に乗り、羽田空港についた頃には…
保安検査場の受付は終了していた。
「やってしまった…」
福岡の博多に今日中につかなければならない、そう思って準備していたのだが…
ギリギリまで仕事していたのが仇となった。
「はぁ…一回京急蒲田まで引き返すか」
明日朝一の新幹線に乗れば朝8:00頃には博多についたはず…
まぁ友人に謝罪のメールを入れて時間を変えてもらうか。
そう思ってふと、飛行機の掲示板を見た。
いつもの癖で飛行機の出発予定の掲示板を見てしまう癖がある。
まぁ数字がたくさん書かれているものを見る、ということは刑事の性、とでも言ったらいいのか。
まぁ22:30を過ぎた頃にはもう飛行機はなくなってるだろう。
そう思って掲示板を見たのだが…
「……?」
そこに一便の飛行機があるのを発見した。
『スターフライヤー 羽田空港 発 北九州空港 行 22:55→24:45』
「こんな遅い時間に飛行機があるのか」
もしかしたらJRの遅延で乗れなかったことを説明したらこの便に乗れるかもしれない。
そう思って係員室へ向かう。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふぅ、危なかった」
なんとかその北九州空港行きに乗ることができた。
「これで明日の朝には間に合うかな」
しかし、周りを見ると意外と乗客がいるものだ。
それだけ需要があるからこの便もあるのだろうな。
とりあえず夜も遅い、そう思って寝ることにした……
24:35
『間もなく着陸の準備が始まりますので、乗客の皆様はシートベルトなどをお占めになるようお願いいたします。』
そのようなアナウンスで起きた刑事は着陸が始まるため、眼の前のテーブルをもとに戻したり、降りる準備を始めた。
「さて、定刻通りの着陸、か」
ただ、北九州空港まで来て、そしてどうしようか
ここで止まるか?
どうしようかわからずに乗客の流れに従ってバスロータリーまで出てきた。
「しかしこんな時間にバスなんて…」
そう思って色々と調べてみると…
「ん?高速バス?」
驚いたことに、この時間に「博多・天神方面」の高速バスがあるようだ。
まぁそれもそうか。
飛行機でここに来た人たち、こんな夜遅くに公共交通機関にないまま放置、ということはないだろう。
常識的に考えればそうだ。
たしかにな、と思いながらその高速バスに乗る。
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