第2話 創造神?になった
「ちょ、ちょっと!!い、今のって...」
理解が追いついていないが思わず口に出てしまった。しかし間違いなく聞こえた。
そして声と同時に何かが飛びついてくる。今までの人生で初めての経験だ。
姿ははっきりしないがこれは間違いない。これは、これは…!
ふわふわ、もふもふとしていて暖かい。こんな温もりは生まれて初めてだ。これを知るために生まれたんだ。
今までは興味さえ示されなかった、冷たい目で見られすぐにそっぽを向く。
虫以下の存在だったのだ!…いや、虫以下ならまだよかったかもしれない。
猫じゃらしにすら勝てなかったのだ!
私はついに夢の中で猫特化型玩具に勝った!いや、もう夢でも現実でもどうでも良い。
「猫さんだー!!」
「原初の混沌からの創造はロックされました。今後その他の候補者様は取得できなくなります。そして今回創造された哺乳類食肉目ネコ科も同じくロックとなります。」
頭の中に声が響くと同時に大きなスクリーンのようなものが浮かび上がる。
そして丸いパネルのようなものが浮かび上がり、そこから無数に枝分かれした線が伸びていく。
中央のパネルには猫のような模様が浮かんでいた。
猫に夢中になり、猫しか見えていなかったがその光景を目の当たりして辺りを見渡す。
薄暗い。どこかの部屋にいるようだが今いる場所の大きさや高さも分からない。
寝ていたはずのベッドの上でもない。少なくとも自分の部屋ではないことは確かだ。
ここにあるのはうっすらと浮かぶ透明なスクリーンと猫。
猫に夢中の自分。自分に夢中な猫。
それだけでもう何もいらない、そう思えた。
やはり夢だったのかと確信したその時、辺り一面に光が差していく。
薄暗かった空間に輪郭が形作られていき、まぶしさに目がくらむ。世界が一気に広がったかのような瞬間。
今まではなんとなくだった。でも私は確信していた。
街で聞けば振り向かずにはいられない可愛らしい声。遠目でも分かる、オーラを放っているかのような、神々しく可憐な容姿。そしてアニメでも定番。
触った感覚しか分からなかったが、やはり確かにそれはそこにあった。
そして彼女はこう告げる。
「世界巨人型が一定数に到達、今後はロックされます。イザナミ様の左目がアマテラス神に、右目はツクヨミ神になり、光と闇が創造されました。
今後、世界巨人、死体化生型と光、闇はイザナミ様の支配下になります」
「にゃあぁ」
この目に映った光景と声が一致して思わず声がこぼれた。
「黒猫さんだったんだねぇ!」
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