ついに上陸 水の大国 ユグルマ!
パチパチパチパチパチパチッ
助けられた人々「ありがとうーー!この御恩は一生忘れません!」
レインとルルハは救い出した人々からの、鳴り止まぬ歓声と拍手に囲まれながら気になる事について話し合いをしていた
レインは考えていた、
レイン(船の管理所の、おじさんが言っていた神隠しの正体は人を引き込む為に作られた大渦によって海底の黄金街に囚われていた事が原因だという事は分かった、だけど妙に引っ掛かるおじさんは最近起こったとも言っていた。あと渦潮の発生するルートが黒ローブの目撃されたユグルマ国への通行ルートにあるというのも出来過ぎている気がする……)
レイン「ルルハ、あの魚人族のボス…………なんか訳ありな気がするんだよ…」
ルルハ「ん……?アイツで何か気になるとこがあったのか?」
レイン「予想なんだけど、ルルハはあのボスの部屋にあった子供の写真気が付いた?」
ルルハ「笑ってて楽しそうな家族写真だったなそれがどうしたんだ?」
レイン「今その家族達は何処に居るんだろ?少なくとも母親と子供一人は居るはず…それにあの家族写真に写っていた風景はあのギラギラした黄金街では無くしかも魚人の住民達が生活する姿も写りこんでいた…」
ルルハ「何が言いたいんだ?」
レイン「つまり、あの街は元々人をさらってまで増やす必要が無いほど賑わっていたんじゃないかな?」
ルルハ「じゃあ、街の人々が去っていったから人を攫ったってことか?」
レイン「僕にはそうと思えないんだよね……だって普通あんな性格の長が街を仕切っていたなら初めから人は住もうなんて思わない」
ルルハ「でも最初その街は人々で賑わってたってさっき言ってたじゃん、レインの言い方初めと今の長は人が違ってるみたぃ…あ!」
レイン「ルルハも気が付いたみたいだね……そう、この件はべーペックの時と同じように黒ローブの組織が関わってる可能性がある」
ルルハ「やっぱりこの事件もアイツらが起こしたって事なのか!?」
レイン「まぁ、それを確かめる為には聞いてみる必要があるよね、本人達に…それをするには沸いてる皆に先ず了承を得ないと…」
するとレインはその場から立ち上がった
レイン「皆さん!聞いて下さい!」
みんな主役のその一言に、一斉に顔を向けた
レイン「僕が推測するにこの一件はあの魚人達が主犯で動いたものでは無いと見ている…詰まるところ彼達をここに招いて訳を聞きたいこれからまた同じ事が無いとも限らない…それも考慮した結果最も安全に先に進むには敵の動きを知るべきだという結論がでました。僕達に協力をお願い致します!」
レイン語った内容に辺りはざわついた)……しかし……
救われた人々の中の一人が言った
救われた人「私の命はもう貴方に救われた命だ異論などないさ…」
救われた人々「そうだ、そうだよな!俺たち皆、兄ちゃんに着いていくぜ!」
レイン「ありがとうございます!協力感謝します!」
レインは深くお辞儀をした、
またルルハもそれを真似してお辞儀をした
という事で早速レイン達と同じく水に流されたであろう魚人達の行方を捜した
ピコーーーン
レイン「テスタ、この波紋が出る機械で本当に何か分かるの?」
テスタ「マスターこれはソナーと言って特殊な音波を出す事で遠くの物の形や大きさ移動まで捉える事が出来る、言わば何でも探知機です」
レイン「へー便利だな〜」
レインが感心していると・・・
ピコン ピコン
ルルハ「何か…この赤い点、円で囲ってそこに留まってないか?」
テスタ「深さで言うと、海面ですね…これは」
レイン「テスタ、モニター頼んだ!」
外の様子をモニター越しにレイン達は覗き込む
レイン「え〜と、ソナーから見ると、もう少し左側か…なっ!?魚人族達が海面に座りながら井戸端会議してる!何で海面に座れるの!?」
ルルハ「え……レイン知らないのか?種族にはそれぞれ特異体質があるんだ、私で言えば傷が治りやすいって感じで…この魚人族達の体質は水に含まれた魔素のコントロールが自由自在に出来ること、だな…」
ルルハに初めて知識マウントととられたレインこんなショックは久しぶりだ
レイン「ふ〜ん、魔素のコントロールだけで、海面に座るのはなかなかに難しそうだね」
そう言うとレインは外に出る為水中装備を着てメインルームを出て行った
ルルハ「わ、私わっ…」
レイン「分かってるから、ルルハにはここで、見守ってて欲しい」
ルルハ「わ、分かった!ここで見てる!」
キィーーーコッ
レイン「え〜と」
レインは外に出ると辺りを見渡した
レイン「居た、向こうも気が付いてるみたい」
筏の縁に立つとレインは飛び込まずにそのまま足を踏み出した
レイン「おっと、結構難しいな…」
レインは寄ろけた、しかし少し経つと…
海面に立つ事に成功していた
一方メインルームでは…
ルルハ「えぇ、あれ魚人以外に出来るの!」
テスタ「ちなみに先代のマスターコータス様も海面歩行はされてましたよ…」
ルルハ「へ〜、アタシも出来たらな〜」
テスタ「では今度自然魔法エネルギーの制御の仕方を教えてあげましょう」
ルルハ「え!?やったぁーじゃあ私もいつかレインみたいに…」
ルルハは理想に目を輝かせていた
場はまたレインに戻る
ピチャ ピチャ ピチャ
レイン(やっぱりだ歩ける!この魔力制御は師匠の元での修行時代にやっていたシンプルな魔力を纏ったまま動くの応用になる訳か)
《靴底の縁に少し強めに弾く魔力を纏う》
逆に、
《靴底の面に、全方位から水が吸い付くようにコントロールする》
立っている感覚としては海が自分を支えている感じでまさに海全体が起き上がりこぼしの重りになった様な感覚・・・
レイン(慣れれば地上より安定するなこれ…)
ピチャ ピチャ ピチャ
魚人達「に、兄ちゃん何者だ…俺…達は利用されただけ……」
魚人族では無い青年がさも当然の様に水面歩行して来る様子に異質のオーラを感じた魚人達はレインが何もしてないにも関わらず怯えていた
魚人のボス「やめよう…もう、私達は貴方達にとんでもない事をしてしまった!処罰はどんな事でも受ける!!」
レイン「あ、あの…別に刑を執行しに来た訳では無くてですね…」
それを聞いた魚人達は(はて?)という顔をした
レイン「あの、もしかして黒いローブの仮面を着けた人に心当たり無いですか?」
すると………その言葉に驚いた魚人のボスは豆鉄砲をくらった風な顔をした
魚人のボス「なぜ…貴方がそれを…」
レイン(やっぱりか、嫌な予感が当たったな、あの黒ローブの人物は何かしらの理由で権力や怪力支配力の強い者の心を操り、人々を苦しめ絶望に陥れてる…目的はなんなのだろう?)
レイン「事情はおおよそですが理解しました、続きの話は私達の船で話しましょう…」
魚人のボス「あんな事をした私達の話を聞いてくれると言うのですか?!」
レイン「はい、気になる事もあるので…」
と言う事で魚人達を艦内に連れて来たレインは皆がいるホールは避けて、メインルームで話を聞く事にした
魚人のボス「私はボンドと申します失礼ながら何からお話すれば宜しいでしょうか?」
レイン「先ず、さっき僕が聞いた黒いローブの人物について話してくれれば」
ボンド「はい、あれは2ヶ月程前の出来事」
ボンド回想[私は体の弱い息子1人と一緒に海底の街で一応、長として暮らしていましたその日私は容態が急変した息子を大きな病院のある水の都モロトトへ向かいました、息子は元々病弱体質でちょっとした風邪でも命取りでした、病院に連れて来た頃には既に肺炎を引き起こしてしまっていた為すぐに、緊急入院する事になりました……面会して一緒に居ていい状況ではなかったらしく最悪、何かあればすぐ向かうだけでも出来るようと思い近くの宿をとりに向かった頃私は出会いましたその黒いローブの仮面を着けた人物に……見た目が恐ろしくて私はすぐに宿に向かうルートを変えようとしました。その時仮面の黒ローブの人物は私にこう言ってきたのです。「帰って来たら…沢山の人でお祝いとか…」私は逃げようとしていたはずなのに気が付けば男の話に聞き入ってしまっていました。あの時私の頭の中に息子が言っていた言葉が強く浮かんで来たんです「また人でいっぱいになった街を見てみたい」って言葉が]
レイン「で、気が付けばこんな事に手を出してたって事かぁ…」
ボンド「本当にどう詫びればいいか……」
ルルハ「やっぱりレインの感あたったな」
レイン「あと2つ聞きたいことがある…」
ボンド「何でしょうか、私に答えられる事なら何でも答えます」
レイン「どうしてボンドさんだけじゃなくて、他の仲間も意識を支配されていたんですか?」
ボンド「それが、私は覚えてないのですが……私は人が変わった様な状態で街に帰ってきたらしく共に《天上高位魔法司書》と名乗る人物を招き入れてそれから他のみんなも記憶が無いらしいんです」
レイン「《天上高位魔法司書》!?本当にそう言ったんですか!」
ルルハ「なんだ?そんなにヤバいのか?」
ボンド「確かに仲間達からそう聞きました」
レイン「その《天上高位魔法司書》と言うのは超級魔法師の言わば側近の事です………………これが意味する事分かりますよね…」
ボンド「でもまさか…」
レイン「そのまさかですよ…これは黒いローブの人物達の起こしてる事件と超級魔法師いや、アラルテラ全体が関わってる可能性があります出来れば、組織を外れた単独の犯行を願いたいですが……」
ボンド「でも、まさか…あの天下のアラルテラがそんな事しないと思いますよ?」
レインとルルハは顔を合わせて苦笑いした
レイン「そういえばあと1つ聞きたいことがあったんでした」
ボンド「なんでしょう?」
レインはくるりと回るとルルハの方に向いた
ルルハ「え!アタシ!?」
レイン「今までの事全て含めて考えた事なんだけど1番手掛かりとして熱いのはルルハの妹を攫った時黒いローブが言ってた事、この娘利用価値がある、これが目的を示す1番の鍵になると思うルルハと妹で何が違ってたか分かる?」
ルルハ「えーと、性格とか私の妹内気だし…」
レイン「性格が利用価値があるでは当てはまる人多すぎるんじゃないかな………もっと最近で変わった事…」
ルルハ「最近の事・・・婆ちゃんが亡くなってマイユが何も話さなくなった事…とか…………マイユお婆ちゃんっ子だったから…」
レイン「………分かったかも…しれない、あの黒ローブの目的、最終的な目的はまだ分からないけど……」
ルルハ「それ!目的って何なんだ!?分かればマイユ助けられるのか?」
レインは考えていた…………拠点が1つかは、まだ分からないが、今までの出現ポイントから拠点の1つはユグルマ国にあると!
そして、マイユ奪還のチャンスがある可能性が高いと、しかし問題があった……
レイン「目的がルルハの妹の病なら、妹奪還のチャンスがある可能性は高いと思う……理由はルルハが黒ローブと会ったタイミングがボンドさんの、黒ローブと会ったタイミングより後、だからだよ…そしてべーペックは更に前だったこれから予測するに彼らはこのルートを何度も行き来してる、つまり、ここのルートに居座る必要があった…」
ルルハ「つまり、どういう事だ?」
レイン「ルルハの妹がお婆ちゃんっ子だった事で理解出来た……ルルハの妹の病は何かしらの強い悲しみや怒り恨み憎しみと言った負の感情が引き金になって、発症している可能性が高いと思われる………しかもこれならべーペックやボンドさんを利用して人々に負の感情を持たせ病を厳選していたという推理が成り立つ…」
ルルハ「そうだったのか…アイツら人を何だと思ってるんだよ!」
ボンド「負の感情によって発症……もしかして姉ちゃんの妹は病にかかった後、緑の痣が浮き出てなかったか?」
レイン「緑の痣?」
ルルハ「な、なんで知ってるんだ!?」
レイン「もしかして、何か知ってる事あったら教えて下さい!」
ボンド「私の奥さんは精霊族だったのですが、その病は言わば精霊化してる状態なのです……感情の操作によって体を流れる魔素はコントロールが可能ですが、ある一定のストレスを越えると魔素と体力を魔力に還元する魔力還元機関がオーバーヒートします。このオーバーヒートを起こしてる際は普段の何倍も魔力を引き出せます。しかし大体はそこでクール機関による、クールダウンが挟まりそれで終わります。
ですが、極稀にオーバーヒート状態を突破する人間が存在します。
オーバーヒートを突破した人間は体に精霊印が浮かび上がり肉体全てを魔力に還元しようと、体が働き掛け印が発症して、35日程と言ったところで跡形もなく消え去るのです……」
それを聞いたルルハの精神は正気を失った
ルルハ「あ………ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙あぁぁぁ!!!」
ルルハは怒りで艦内の壁を拳から血が飛び散る程に殴り続けた
レイン「ルルハ!落ち着いて!ルルハァ」
レインはルルハの前に飛び込んだ
バァンッ
レインの顔面にルルハの拳が炸裂した
レインを殴ってしまった事でルルハは我に返る
ルルハ「レ、レイン!ごめん!殴るつもり無かっ……」
レインは言った
レイン「大 丈 夫、ぼ く に ま か せ て !」
ルルハはレインと初めて出会った時の事を思い出した………「ぼ く に ま か せ て !」
ルルハ(こういうところだ、レインと居るとポカポカするような…もっと一緒で居たいってキモチが溢れてくる…)
ルルハ「何回めだよ、私…」
ポロッ ポロッ…
ルルハは優しさと決意に満ちた涙を零した
ルルハ「私決めた!絶対妹を助け出してそしてその病ってのも何とかする!」
レイン「そ、その調子だ………でも…………もう……限…界……」
バタッ
それはそうだろう、あのルルハの拳をモロに、顔面で受けたのだ…
ルルハ「レイン〜…起…ろ〜…も…着いた…ぞ〜……」
レインはようやく目が覚めた、
レイン「ん〜…ここは…天国かぁ〜…」
ルルハの顔が真上にある
ルルハ「天国じゃないぞ私の膝の上だ!」
レイン「じゃあ…天国だね〜、いよっこらせ」
レインは体を起こした、
レイン「あとどれぐらいで着きそうなの〜……ふぁ〜〜…」
ルルハ「寝ぼけて何言ってんだ、もう着いてるぞ!」
レイン「え、えぇ!!?皆は!?」
ルルハ「とっくに御礼言って出ていった」
レイン「すぐ準備するからー待ってて!!」
レインはドタバタしながら急いで身支度をした
キィーーーコッ
トットットッタッ
レイン「これが!水の大国 ユグルマ!」
辺りには見た事の無いほどに広い森林や、
その上空にフワフワ浮いている水の塊が
沢山あった。
レイン&ルルハ
「水の大都市モロトト向けてしゅっぱーつ」
第2章に続く……
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