閑話 ニードル家の女性達

可部 靖迷には自身の後継者たる養女が居る、名は可部 緋珻巫(カベノヒメミコ)と名乗ってはいるが、本当の名前はミネルバ・ティアーズ・ニードルと云って、可部 家と云うよりもニードル家と謂った方が正しい。

大昔に陰陽師としての才能がない者が興した可部家の分家の一つで、ティアーズ家もニードル家から発生したニードル家の中でも魔力が強い者起こした分家である。

ニードル家は代々男系の家柄で、その当主は代々バルドの性を名乗る。

そして、ニードル家の当主は皆一様に、ミバラク・バルド・ニードルと名乗るのだ。

そんな訳だから当然の事ながら、ミネルバの父親はニードル家の当主であり、彼女は次期ニードル家の当主のはずであった。

だが、彼女の曾祖父の代に三道洞の分家筋から側室を娶った時から、彼女の運命は変わってしまった。側室が彼女の祖父であるガイガンを産まれたからである、三道洞に繋がるもの達はニードル家の家督をガイガンに継がすため、子飼いの暗殺集団"夜行"にガイガンとその母以外の暗殺を企てた。

しかし、その企みはミバラク以外の者の暗殺の成功と云う形でガイガンを次期当主とする結果に終わった。

そして、時は過ぎガイガンの息子であるミバラク・ニードルがティアーズのラクティナとの間に出来た子。彼女こそミネルバである。

しかし、ガイガンはニードル家は男系が継ぐものと云い、ミネルバをバルドの性を与えミトゥースと名乗らせ男として育てる。


「我が息子も大したことがない、女子等を産ませおって儂なら男の赤子を仕込めるものを」

ガイガンはミネルバがバルドの性を与えられた頃、そう愚痴を漏らしていた。

しかし、次期当主となる者が女子では困ると考えガイガンは動いたのだ。

「息子の種だから女子になるのなら儂ので孕ませば良い」

ガイガンはそう考え息子の嫁であるラクティナに襲いかかる。

「辞めてください、お義父さま・・・」

ガイガンは、ラクティナに詰寄りドレスの上から胸を揉みしだく。

ラクティナは必死に抵抗するが、ガイガンに力で敵うはずもなくドレスを剥ぎ取られる。

「お辞めください」

ラクティナは叫ぶがガイガンは聞く耳を持たない。

「ふんっ!儂とて男、女子が欲しければ孕ましてしまえば良い」

ガイガンはラクティナの下着を脱がすと、ラクティナの秘所に指を入れ弄り回す。

「あっ・・・いやっ・・んっ・・・」

ラクティナは必死に抵抗するが、ガイガンに敵うはずもなくされるがままになる。

そんな時、部屋に息子が駆け込んできた。

「何をやっているのですか?父上!」

息子の声にガイガンは慌ててラクティナから手を離すと、殴りかかる。不意の一撃を受けた息子は昏倒し床に倒れた。

「貴様が儂に逆らうからこうなるのだ、この役立たずが!」

ガイガンはそう叫ぶとラクティナを殴り始める、ラクティナは必死に抵抗し殴られるのを防ぐ。

「このっ!大人しく殴られておれ!」

ガイガンはそう叫ぶとラクティナに馬乗りになり拳を振り上げる、しかしそれは振り下ろされることはなかった。何故なら、ガイガンが自分に使えているメイドを呼び息子を縛り上げ座敷牢に運ばせると共に、軟膏を持って来させたのだ。

ガイガンは、失禁しているラクティナの頬に軟膏を塗りつけながら言う。

「済まなかった、ラクティナ」

「・・・」

ラクティナは、無言で顔を背けるがガイガンは彼女の顎を掴むと顔を自分へ向けさせる。そして、謝罪の言葉を続ける。

「儂が間違っておった、儂とて男であるぞ男子が欲しければ孕ましてしまえば良い」

そんなガイガンの言葉にラクティナは彼を睨む。

「・・・もし貴方様の種男女子で無かったら?」

その答えにガイガンは一瞬、言葉に詰まる。

「・・・それは・・・」

「もし、貴方様の種が女子であったら?」

ラクティナはガイガンの目を見据えながら言う。

「・・・その時はその時だ、儂の子を産めば良い」

ガイガンはそう答えるとラクティナを抱き締める。

「済まなかった」

そんなガイガンの言葉にラクティナは彼を突き放す。そして、彼の目を見ながら言う。

「お辞めください、私は貴方様の子など産みません」

その言葉にガイガンは慌てる。

「何故だ?」

ラクティナは、俯きながら答える。

「私は貴方様の子を孕んでしまうと、ミバラクの妻で居られなくなってしまうからです」と。

ラクティナの答えにガイガンは表情を歪める。そして叫ぶ。

「貴様!この儂に逆らう気か!」と。

しかし、ラクティナが叫び返すことはなかった。それは何故か?答えは簡単だった彼女の口が塞がれたからである。ガイガンはラクティナの口を手で押さえると、彼女に軟膏を塗っていく、最初は殴った場所を優しく塗っていく。只、軟膏を塗るだけというのは傍から見れば心を開かせようと愛撫しているように見える。しかし、ラクティナにとっては違った。軟膏を塗られていくにつれて身体中が熱くなっていく。

ラクティナは、自分が興奮しているのだと自覚した。

ガイガンが軟膏を塗り終わる頃には、ラクティナの秘所は濡れ始めていた。それを見たガイガンはニタリと笑う。軟膏は強力な媚薬で、ポッサロ北部に生息する猿、エッテモンの睾丸から抽出された物でどんな女でも淫乱にしてしまう物だった。

そして、ゆっくりと手を下腹部へと滑らせていく。

「・・・あっ・・・」

ラクティナの口から甘い声が上がる。ガイガンの手が触れる度に快感が走るのだ。「んっ・・・あぁん」

やがて、ラクティナは我慢出来ずに腰を動かし始める。そんなラクティナを見てガイガンは笑い、彼女の秘所に指を入れ掻き回す。

ラクティナの秘所はガイガンの指を締め付けるが、彼は気にせずに動かし続ける。そして、ある一点を掠めた時ラクティナの反応が変わった。

その箇所を重点的に攻め立てるとラクティナの声は更に高まる。

しかし、まだ足りないと思ったガイガンは指の数を増やし同時に親指で陰核を押し潰すようにする。すると、今まで以上に強い快感に襲われたラクティナは絶頂を迎えた。しかし、それでもガイガンは責め続ける。

ラクティナが何度も絶頂を迎えたところでようやくガイガンは手を止めた。彼女の秘所は濡れきっており、ヒクついていた。その姿を見て我慢出来なくなったのか、彼は服を脱ぎ捨て裸になると覆い被さり挿入した。そして激しく動き始める。その動きに合わせて彼女は声を上げる。

ラクティナの反応を見て気を良くしたのか、ガイガンの動きが激しくなる。パンッ!パァンと肌がぶつかり合う音が響く中、二人の結合部からは愛液が流れ出ている。

やがて、ガイガンは限界を迎えラクティナの中に精を放った。それと同時にラクティナもまた達する。

しかし、彼はまだ満足していなかったようで再び動き始める。

結局、その後何度も行為を繰り返し二人は眠りについたのだった。

翌朝、ラクティナが目を覚ますと隣には裸のまま眠るガイガンの姿があった。そんな彼を見てラクティナは思う、何故こんな事になってしまったのかと。

彼女は自分の下腹部に手を当てる、そこには未だに異物感が残っていたのだ。昨夜のことを思い出し顔を赤くすると慌てて布団から出て下着を身に付ける。そして、部屋から出ようとするが足元がふらつき転んでしまった。

慌てて立ち上がろうとするが足に力が入らず立てない。そんな時、背後から声がした。

振り返るとガイガンの姿があった。彼は起き上がるとラクティナに近づき話し掛けてくる。

しかし、ラクティナは無視して歩き出す。だが、再び足がもつれ倒れそうになったところをガイガンに抱き止められる。

そしてそのまま押し倒されると唇を奪われてしまった。最初は抵抗していたが徐々に力が抜けていき受け入れてしまうラクティナだったが次の瞬間、彼女は目を見開いた。何故ならガイガンのモノが大きくなっていたからだ、それも昨日よりも太く長く大きくなっていたのである。それを見たラクティナは恐怖を感じ逃げようとするが押さえ付けられてしまう。そして再び挿入され犯された。

その後何度も交わり続けとうとう意識を失ってしまった。そんな時、彼女が目を覚ました時に見たものは夢だった。

(なんだ・・・夢だったのか)そう思ったラクティナだったがふと違和感を感じる、それは自分の中に何かが入っているような感覚があったからだった。恐る恐る下を見るとそこには大きくなった彼のモノがあった。しかもまだ繋がったままだった。

それを見たラクティナは慌てて離れようとするが、腰に手が回され動けない。そんな時ガイガンが言う。

彼のモノは既に準備万端だったらしく挿入し始めるとすぐに動き始めた。その激しい腰の動きに彼女は思わず声を上げてしまう。その声に興奮したのかさらに激しくなり何度も突き上げられるうちに絶頂を迎えた彼女が声を上げると同時に膣内に大量の白濁液が流れ込んできた。それを全て注ぎ込み満足したのかようやく解放された時には既に日が高く昇っており、ラクティナは疲労困憊といった様子だった。

そんな彼女を見たガイガンはニヤリと笑うと再び覆い被さった。ラクティナは慌てて逃げようとするが腰を捕まれ引き戻されてしまう。そして、そのまま激しく犯されてしまい意識を失うまで続けられたのであった。

翌日、目を覚ましたラクティナは隣で眠っているガイガンを見て思わず顔を引きつらせる。何故こうなったのか記憶を探ってみるが何も思い出せない。ただ一つだけ言えることは自分がこの男に抱かれたという事実だけだった、その事実を認識した瞬間ラクティナは吐き気に襲われる。だが何とか耐えていると不意に声を掛けられる。顔を上げるとそこにはガイガンの姿があった。彼はラクティナの顔を見るなり嬉しそうに微笑んでくる、その様子を見てラクティナはゾッとすると同時に嫌悪感を抱いた。

そして彼女は立ち上がるとその場から離れようとするのだが足が動かず転んでしまう、それを見たガイガンは慌てて駆け寄ってくると手を差し伸べてきた。その手を振り払うと睨み付けるとそのまま立ち去っていく、そんな後ろ姿を見ながらガイガンは呟くのだった。

こうして二人の歪な生活が始まったのであった。

それからというもの毎日のように求められ続けたラクティナだったがある日のこと、いつものように行為が終わった後に洗浄の魔法でガイガンに出された精液全てを洗い流したのだ。1年以上ガイガンに中出しされていたのに孕まなかった理由はラクティナの身体に耐性がついていたからだったのだ。

ガイガンは驚いた様子だったが、すぐに笑みを浮かべると彼女に言った。

しかしラクティナは既に覚悟を決めていた為怯むことはなかった、そんな彼女を見てガイガンは残念だといった様子を見せるだけだった。その夜ラクティナは自分の決意を胸に秘め眠りにつくのだった。翌日、目を覚ますと隣ではまだ寝ているガイガンの姿があった。そんな彼を見つめながらラクティナは思う、自分はこの男に辱められ弄ばれてきたがそれも今日で終わりだと・・・そして彼女は行動に移した、夫と娘を連れて都であるキキョウから離れた別邸へ引っ越したのだ。

そしてラクティナは、ガイガンの屋敷から持ってきた荷物の中にあったある物を取り出すとそれを握り締めるのだった。

それは小さな小刀であった。ラクティナはその小刀で自分の首を切りつけようとしたのだ、しかし・・・ パシッ!という音と共にその腕を押さえられる。振り返るとそこにはミバラクの姿があった、彼女はラクティナが何をしようとしていたのか瞬時に理解したようで慌てて止めたのである。そんな妻の姿に驚いたのか呆然としている夫に彼女は言う。

どうやら、自分達がガイガンに犯されていた事はミバラクの耳にも入っており彼はラクティナの事を心配していたようだった。そんな夫の言葉を聞いてラクティナは涙を流す。そして二人は抱き合った後にキスをするのだった、それは長く深いものであった。

その後、夫婦にもう一人娘が産まれ幸せな家庭を築いたラクティナであったが、数年後にミバラクは内乱でガイガンに殺され帰らぬ人となってしまった。

そして、残されたラクティナと娘の二人は悲しみを乗り越え新しい生活を始めるのであった。

それからすぐに、ガイガンに見つかるがミトゥースの魔法でガイガンを殺し事なきを得たラクティナだったが、その日から彼女の生活は一変する。

ガイガンを殺した事で、三道洞の分家の連中から狙われるようになったのだ。

そしてラクティナは、娘であるミトゥース達を連れて逃走を図ったのだが、途中で力尽き捕まってしまった。

その後、三道洞本家に連れて行かれた彼女はそこで尋問を受けたのである。しかし、ラクティナはミトゥースだけを逃がすと自分は処刑される事になった。

そしてラクティナは、娘を守るために自分の命を差し出すのだった。

しかし・・・ 突然現れた男によってラクティナは助け出されたのである。その男は三道洞の分家筋である三刀流家の当主だった。彼はラクティナを助けるとそのまま連れ去ったのだ、そして彼女を奴隷として両足首の腱を切ると牢獄に閉じ込めたのだ。

それからというもののラクティナは毎日、男の性奴隷として常に男の物を自分の中に咥え込まされていた。

彼女は足で歩く事さえ出来ず男が移動する時は男のものをおマンコに咥え込んだまま腰を持たれ両の手は男のものを扱いていたのだ。そして、食事も口移しで食べさせられていた。

そんな生活が続いたある日の事だった、男がラクティナの娘である1歳になったばかりのレレーラに媚薬を塗っていくのを見たのは、 ラクティナは不安を抱きながらも娘を見つめるしかなかった。

レレーラに媚薬を塗り終えた男が部屋から出て行くと数分後には変化が現れた、レレーラは苦しそうな表情を浮かべ始めると突然苦しみだし床の上でのたうち回る。

そして、ついに絶頂に達したのか激しく痙攣して動かなくなってしまった。

そんな娘の姿を見て心配になったラクティナだったが次の瞬間驚く事になる。なんと、レレーラが起き上がったのだ。しかもその表情は今までとは打って変わってトロ〜ンとしているのだ他の男がチンポを口に持っていき精子を飲ませ始めた。

すると、レレーラの様子が変わっていったのだ。まるで別人のように変わり果てた彼女は男のチンポをしゃぶると美味しそうに飲んでいるのだ。ラクティナは気が付いた、自分が母乳を与えてなかったことを、レレーラが飲むはずだったものは男に吸われていた事を。

今まで忘れていた、そしてレレーラは精子を飲んで生きていたのを、ラクティナは自分が犯された日の事を思い出し絶望した。

自分は娘を守る事が出来なかったのだと・・・ それからというもののラクティナは毎日、男に母乳を与える事となったのだ。しかし、男はラクティナが母乳を与えている時にいつも邪魔をする。彼はレレーラに授乳するとその大きな胸で自分のチンポを挟んで扱いてくれと言ってきたのだ、そして彼女はそれに従ったのだが男が射精する直前に離しレレーラに飲ませる。

ラクティナは悔しくて堪らなかったが、逆らう事は出来なかったのだ。

そんな生活が続いたある日の事だった、男が突然姿を消したのである。

ラクティナは喜んだ、これでレレーラと2人きりになれると思ったからだ。しかし・・・それは大きな間違いだったのだ。何故なら男はすぐに戻ってきたからなのだ、三道洞の当主を連れて。

三刀流家の当主はラクティナを見るとニヤリと笑うと彼女に告げたのだ、娘を使ってお前を弄ぶために連れて来てやったと。その言葉を聞き絶望するラクティナだったがそんな暇もなく男達によって取り押さえられた。そして服を脱がされると両手を後ろ手に拘束され足をM字に開脚させられる形で固定される。

次に乳房を揉まれると乳首を摘まれ引っ張られる。そして母乳が出るとそれをレレーラの口に流し込んだ後、今度は彼女の小さなおマンコを舐め始める。しばらくするとレレーラの小さいおマンコは濡れ始めると、上座に座る三道洞亜佐礼に渡される。そして、ラクティナの目の前でレレーラのおマンコにチンポを宛てがわれると一気に挿入された。

レレーラは絶叫を上げるが気にせずピストン運動が開始されるとやがて絶頂を迎えたのか体を震わせる、それと同時に膣内射精されてしまい中出しされてしまったのだ。しかしそれだけに終わらず今度は別の男がラクティナのマンコを使い始める。2本目が入ってくる頃にはもう抵抗出来る気力は無かった、そして3時間後ようやく解放される頃にはラクティナは心身共に疲弊していたのである。

レレーラの2歳での破瓜を見たラクティナは、自分がされた時を思い出していた。

あの時も痛かったがレレーラの痛みに比べればまだマシだろうと考えていたのだ。

そしてラクティナは思った、もう終わりにしようと。

だが、ラクティナの決心も虚しく手首の腱を切られてしまう、口の中は歯を全部抜かれて舌も短くて二股にされてしまい喋る事さえ出来なくなる。

ラクティナは絶望した、もう自分はこのまま死ぬしかないのかと・・・ しかし、そんな彼女の願いを聞き入れてくれる者がいた。それは今までずっと黙っていたレレーラだった。

彼女は泣きながら言うのだ、お母さんを助けて欲しいと。その言葉にラクティナは救われた気がした。そして決心する、娘のために生きようと。

その後、三道洞亜佐礼により両手首を切り落とされ舌を切られて歯を全て抜かれたラクティナは奴隷商に売られた。

その後、奴隷として売り出される事になり客を取らされる事になるのだが、その客の中にあの男がいた。

その男はラクティナを見るとニヤリと笑うのだった。そして言ったのだ、ようやく会えたと、その言葉を聞いた時ラクティナは自分がこの男のオモチャにされるのだと理解した。しかし逃げる事は出来ない、何故ならもう彼女には生きる意味すら無いのだから・・・ そんな時だった、男が他の客達と話を始めたのだ。何を話しているのか気にしていると男と目が合った瞬間ニヤッと笑ってみせたのだ。それを見て背筋が凍り付くような感覚に襲われるラクティナだったが次の瞬間、男は立ち上がるとこちらに向かって歩いてきた。そしてラクティナの前に立つとしゃがみ込むとその顔を覗き込んできたのだ。

「よぉ、久しぶりだなぁ?ん?」

「・・・っ!?」

声を掛けられても反応する事が出来ずただ見つめる事しか出来ないラクティナだったが不意に頭を掴まれると髪を引っ張られる。その瞬間、激痛が走ると共に口から悲鳴が上がるが男は気にする様子もなく喋り続けたのだ。

「おいおい、無視すんなよ〜寂しいだろぉ」

そう言って笑うと今度は髪を離してくれたのだが既に数本抜け落ちてしまったようで頭が軽くなった気がしたがそれどころではない。何故なら男が顔を近づけてきたからだ、何をするつもりなのかと思っているといきなり唇を重ねられた。しかも舌まで入れられてしまう始末である。

「んっ・・・ちゅぱっ・・れろっ」

最初は抵抗していたラクティナだったが次第に力が抜けていき最終的には自ら求めるようになっていた、それほどまでに男のキスは上手くて気持ち良かったのである。そして数分後ようやく解放された頃には完全に蕩けきった表情をしていたのだった。そんなラクティナを見て満足そうな笑みを浮かべる男に対して彼女はこう思った、この人になら何をされても良いかもと・・・ それからというもののラクティナは男に対して従順になっていった、命令されればどんな事でも従うようになったのだ。

例えば食事の際には口移しで食べさせてもらい、寝る時は一緒のベッドで寝るようになった。

またある時は首輪を付けられてペットのように扱われたりもしている。

そんな生活が10年も続いたある日の事、ラクティナは軽い風邪から肺炎になってしまい娼館の裏の掃き溜めに放置されていた。

「あ・・・あ・・・」

もう声を出す事も出来ずに苦しんでいたラクティナの元に男達がやってくると、彼女の身体を弄り始めた。

「おい見ろよこの女まだ生きてるぜ」

「マジかよ、しぶといな」

そんな会話をしながら男達はラクティナを犯し始める。最初は抵抗していたが次第にその気力も無くなっていった。そして数時間後ようやく解放されると、女性が他にも居るのに気が付いた。女性を見ると両腕で死んだ赤子を抱いた妊娠した少女だった。ラクティナは女性の顔をじっと見つめるとある事に気が付き驚愕した。何故ならそれは・・・

「りぇ、レレーラ・・・」

ラクティナはそれだけ言うと意識を失ったのだった。

数日後、ラクティナは娼館に近い河原にレレーラと共に死体となって捨てられた。

だが、ラクティナは内心喜んでいたのだ、これでようやく愛する夫の待つあの世へと行けると・・・ その数日後、ラクティナがこの世を去った場所に1人の陰陽師の女性が現れた。彼女はラクティナの遺体とレレーラの亡骸を回収すると、その地を後にしたのだった。

そして、それから数日後・・・

「ん?なんだこれ?」

ボロ布を纏ったある男が河原に捨てられていた物を見つけるとその中身を確認するため白骨の手で拾いあげたのだ。それは1通の手紙と2つの指輪だった、手紙にはこう書かれていたのである。

『愛する夫へ』と・・・ 男はそれを読むと白骨の眼窩の無い目で涙を流しながら呟いた。

「私も愛してる・・・ラクティナ」

そして、ボロ布だけを残し塵へと消えたのだった。

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