第10話
十話
「起きてセレナ、あと少しで付くよ」
ユキは私を肘を突き私を起こす
「着いた?」
「あと少しよ、今は関所ね」
「そっか……今日は色々あったから疲れたよ」
「帰ったら寝ましょうか」
「そうだね!」
「それにしても危なかったなぁ」
「まさか襲われるとはね、それにしてもどうして急に……」
「まぁ起こったことは仕方ないしまた何かあればその時調べれば良いんじゃない?」
「そうね……」
私達が会話しているとタクシーの運転手が口を開く
「お客さん、ここら辺ですね」
どうやら着いたらしい
「ありがとうございました〜」
私はタクシーにお金を払い降車する
「ん〜久々に帰ってきたような気分だよ」
そう独り言を放ち
扉を開ける
すると
キレイに整えられた店の中にぽつんとメアリーが立っている
「お待ちしておりました、セレナ様、ユキ様」
メアリーの急な変化に私達は戸惑う
「え、どうしたの!?」
私はメアリーに問いかける
「従業員として受け入れて下さっているのですからこうするのが普通だとマキ様に習いました」
「マキの所なら確かにそう言うノリ好きそうだしやりそうだな……」
「別に気にしないから朝みたいに普通の態度で良いのよ?ね?セレナ」
「そうねぇ、」
「左様ですか……ですがこれは私の趣味でもあるので受け入れてくれると嬉しいのですが、」
「態度の割に食い下がるなこいつ……」
「まぁ良いんじゃない?ユキもそう思うでしょ?」
私は近くにあった椅子に座りユキに問いかける
するとユキもため息を付きながら返す
「まぁ好きにすれば良いんじゃない?」
「ありがとうございます、そう言えば夕食は食べて来ましたか?」
「あ〜……まだかな?」
「それでは私が調理致しましょうか?」
私なメアリーの提案を拒否しようと体を起こし口を開こうとした瞬間先にユキが話始める
「それなら私も手伝うよ、キッチンの使い方も教えないとだしね」
「分かりました、お手伝い感謝します」
「大丈夫よ、私もメアリーの腕を観たいから」
「そう期待されると嬉しいですね」
「じゃあ、行こっか」
「はい!」
ユキとメアリーが店の奥へ消えるのを見守り再度背もたれに背を付け脱力する
「はぁ……」
私はため息を付き目を閉じた
「セレナ〜ご飯よ〜」
ユキの声で私は目を覚ます
「はいはーい」
私はユキに返事を返しリビングへと向かう
「はいは〜い来ましたよ〜」
リビングに入り食卓に目を移すとそこにはブラッド・プディングを始めトード・インザホール、パイ&マッシュなど豪華な料理が並んでいた、
「これメアリー達が作ったの?」
「殆どメアリーよ、私は見てるだけだったわ……」
「へぇ〜美味しそうじゃん」
「ありがとうございます、冷めてもあれですし早速お食事にしましょうか」
「そうだね〜」
私達は席に付きメアリーの作った豪華な料理を口に運んだ
どれも今迄味わった事のない味がしたが非常に美味しくユキも私も食事を運ぶ手が止まることはなかった、
「そう言えばさメアリー」
「どうしました?」
「これってメアリーが持ってきた食材?」
私はメアリーに問う
「そうですね、私が持ってきた食材を使用しました、どれも今朝採れた物なので新鮮ですよ」
「魔界の技術を使えば例え100年前の食材でも採れたてと同じ新鮮な状態を保てはするけどね」
「それでもやはり採れたては気持ち的にも健康に成れると思います」
「確かにそうねぇ……セレナもそう思うよね?」
「まぁ確かに鮮度は同じでも今朝取れたのと100年前採れた物なら今朝取れた物を食べたいと思うね」
私達はそんな談笑をしながら食事を終え、
メアリーを寝室へ案内する
「ここが今日から君が寝泊まりする部屋だよ、まだベットと少しの物しか無くて殺風景でごめんね、何か要望があれば買うから遠慮なく言ってね!」
「御心使い感謝します、何か必要な物が出来たその時は御言葉に甘えさせて頂く事にします」
「そうしてくれると嬉しいな!」
「それではおやすみなさい……」
メアリーは案内された部屋に入り扉を締める
私は少し深呼吸をしてから自分の寝室へと足を運んだ、
「今日はぐっすり眠れそうだなぁ」
そんな独り言を吐きながら寝室の扉を開けてベットに目を移すとユキが座っており
私を見つけると手招きをする。
「ユキ?どうしたの?」
私は疑問に思いながらもユキの隣に座る
「いやぁ……別に深い意味はないけどたまにはこう言うのも良いでしょ?」
「……」
「いやぁ……ちょっと寂しく感じてさ、セレナが良いなら今日は一緒に寝ても良い?」
「そうねぇ……」
私は少し考える素振りを見せ答える
「良いよ!」
そう言うとユキは照れくさそうに笑い二人で毛布の下に潜り
この懐かしい感じを思い出しながら眠りへと落ちて行った。
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